ご飯を食べた後、お風呂の準備をしていた間暇だったから、へーわさんに折原さんという人のことを聞こうと思った。


「ちょっと質問いいですかー?」

「駄目だ」

「へーわさんってー」

「おい、聞こえなかったかバカ猫」

「折原さんって知ってます?」


私に抱き着かれていたへーわさんのまとっていた空気が、ガラリと変わった。あ、やべ、地雷踏んだ。

そう思ったのは、時、既に遅し。へーわさんは私の両頬を摘まみながら言った。


「クソ蟲なんかに興味を持つな」

「なんれれふは」(何でですか)

「アイツの性根は腐りまくっていんだよ。あんな野郎と一緒に居れば、お前も道連れになる」

「みひふへ?」(道連れ?)

「お前が記憶喪失になった原因も、大方臨也のせいだろ」


だからもう関わるな。いつになく真剣なへーわさんの顔を見て、私はぷっと吹き出して、へーわさんの手を退けた。


「テメエ…人が心配してやってんのに、」
「やめてくださいよ。私はもうここにいるって決めたんですから」

「あ…?」

「野良猫みたいにほっつき歩いててもいいですけれど、たまには飼い猫気分も味わいたいなあ、って?」

「……好きにしろ」

「きゃーへーわさんすってきー!」


ぐいぐい抱きつけば、ぐいぐい顔を押される。嫌がっている?喜んでいるの間違いですよ!!


「いっしょにお風呂入りましょうねー」

「馬鹿か!なんで俺とお前が入らなきゃいけねえんだよ!!」

「えーそう言わずに、ね?」


さすがにお風呂は拒否されました。

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