「あれぇ?おかしいな……」

「手前の方がおかしいぞ、初対面の相手に向かって死ねとはよぉ?」


プラーン、と首根っこを掴まれている私、猫じゃあるまいし。目の前には、整った顔を怒りと困惑で歪ませたへーわさん。


「なにも言わずに刺すのは悪いかなー、と」

「刺すこと自体悪いからな」

「でもへーわさん、刺さりませんよ?」

「へーわ?」


コクリと頷く。あ゙ーと言いながら頭を掻くへーわさん。ふーむ、イケメン。でも嫌い。


「えー、あ……そのー」

「なんだ、遺言か?」

「まだ死ねませんよ、降ろして頂きたいんですが」
「無理、死ね」

「ひどいなぁ」


ケラケラと笑うと、へーわさんの顔に青筋がもう一本増えた。うわ、めっちゃ怒ってる。


「へーわさんが死ねば死にますよ」

「お前が死んでノミ蟲の野郎も死んだら死んでやるよ」

「ノミ蟲…?」

首を傾げると、へーわさんが滅茶苦茶イヤそうな顔で名を告げた。

「臨也だよ、折原臨也」

「あー、いざやさんは死なせませんよ」

「あん?手前ノミ蟲の知り合いかなんかか?」

「まーそうですね」

正しくは、信者っていうんですけどね。あははは。

[ 2/54 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

戻る


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -