「人間と怪物のハーフなんて、誰が好きになるんだろうね?」
「い゙っ、は、いざ…っ!」
「聞いたよ、新羅から。君、人間じゃないらしいね?」
「はっ、はっ、わ、たし、は、人間、です……!」
腹に刺さった刃物をぐるりと回され、私の意識もぐるりと一回転しそう。
咳をしたら赤い血が出てきた。わあ、怪物の私でも赤いんだね!臨也さん、これ大発見ですよ!
「げほっげほげほ!はっ…っ…」
「怪物のくせに好意を寄せるなんて、おこがましいと思わないのかなあ?」
「っ、いざやさん…!やだ……なんでも、するから、捨てないでっ…!」
ぎりぎりと精一杯の力で、臨也さんの腕を握りしめる。怪物って言われても、死ねって言われても、大好きだから。
愛しているから。
「なんでも?」
「はい……!」
「じゃあ、」
死んでよ。
そこで私の意識は途絶えた。最後に映ったのは、泣きそうな顔をした臨也さんときらりと光る刃先だった。
声にならないような悲鳴を上げ、私は意識を手放した。
こんなのは現実じゃない。私は、怪物じゃなくて、人間で、臨也さんも人間で、カッコいい人で。
『誰が好きになるんだろうね?』
うるさい!!黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!
『じゃあさ、死んでよ』
臨也さんは私に死んで欲しいんですか?私はもう役立たずで、捨てられますか?
「こんなの、嘘だ」
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