私は取り出したカッターをセルティさんに切りつけた。すると彼女はそれを手で払い、私の腕を掴んで背中に回して…って痛い痛い!


『ふざけるな。私がどんな思いで生きているのか分かっているのか!?』

「そんなの分かりませんよ。私は…ただの人間じゃ嫌なんです…!それじゃ、愛想を尽かされて!もう捨てられるのは嫌なの!!嫌われたくない…!」


もう最悪。ぼたぼた落ちる涙と滲む視界に映る岸谷さんはおろおろしてるし、セルティさんの力はすごいし。


「おい新羅、診てく、!?」

「うわあ、静雄って本当タイミングが悪いよね」

「ああ゙!?なんでコイツがいるんだよ」

「ぐすっ…。私帰ります。ありがとうございまし、うわあ!?」


帰ろうと関節を外した瞬間、セルティさんに胴体を縛られた。せっかく痛い思いをして外したのに!!


『まだ話は終わっていない。ここに残ってろ』

「……はーい」

「じゃ、静雄はこっちに行って、って、ちょっ!?」

「おい、猫女」

「はあ?なんですかそのあだ名ぶふっ!」


うわ、へーわさんのでっかい手のひらで死ぬなんて最悪。ぐいぐい押しつけられる手に窒息しそうなんですけど。


「何があったか知らねえけどよ、泣くな」

「へーわさん…」

「なんだよ」

「気持ち悪ーい」

「てめえ、人が心配してやってんのにその口の利き方はなんだ!?ああ゙!?」


本当に、気持ち悪い。へーわさんの手のひらが心地よいなんて。


「どうどう、静雄、冷静に。相手は女子高生だよ?」

「んなもん知るか!!」

「ほら、あっちに行くよ」


連れて行かれるへーわさんを心の中でざまあと嘲笑った。いやあ、愉快、愉快。ところで、セルティさんは何を話したいのかな?

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