1ヶ月前の私は、ただ呼吸してるだけの人間でした。両親とか友達とか居なかったから余計に独りぼっちで、生きる意味を見出せなかった。

いま思えば、自分から行動しなかっただけなのかなーって。


「君がタマ子さん?」

「はい、えっと、奈倉…さんですか?」


私は、自殺サイトに登録した。最期くらい一人じゃ心細いからって、私って可愛いですよね!はいはい、早く進めますよ。

あ、でも、このときに会った人って、臨也さんじゃなかったんですよね。えっ、セルティさん知ってるんですか?


『ああ、アイツのやり方は嫌でも知ってるからな』


へえ……。で、その奈倉さんとお食事をして、人気のない路地裏に来ました。ふいに肩を掴まれて、壁に押しつけられちゃったんですよね。いやあ、焦りましたよ〜。


「奈倉さん…?」

「君みたいな可愛い子が死ぬなんてもったいないよ」

「えっ…?やだ、やめてください!誰か助けて!助けて!」

「はっ、死にたいくせに喚くなんてぐほっ!!」

「大丈夫?タマ子、さん」


迫ってきた男を気絶させたのは、不敵な笑みを浮かべた臨也さんでした。その時、私は臨也さんが仕掛けたことを知らずに、ああ、この人は救世主なんだって勘違いしてました。


「なんで…その名前を……」

「あーあ、コイツはもう使えないな。それにしても、君は面白いね」

「は、はあ?」

「死にたい、死にたいって言ってるわりには、ああいうことはできないんだ?」

「っ!当たり前じゃないですか!」


臨也さんは私が怒っても「怖いこわーい」と茶化すだけ。何だか私、疲れていたんですよね。ため息をついていたら、臨也さんは私を誘ってきたんです。


「自殺、しに行かないの?」

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