白衣の襟を直しながらこちらを向く。真剣な目でこちらを見ている。私…こういう空気が苦手なんだよね。
「どうやって君は臨也と接触したんだい?」
「! ……何故あなたに教えなきゃいけないんですか。ていうかなんであなたが臨也さんと私が――」
「セルティ曰く、女の勘だそうだよ」
「は?」
白衣を着た悪魔(岸谷新羅)は、猫耳ヘルメットさんを指す。なるほど、へーわさんと会話をし、謝らせたのは彼女だったのか(身体の凹凸が女性っぽいから彼女で)。
……んん?なんか、このせるてぃ?セルティ?さんは見たことがあるような、ないような。
「僕達に教えてくれないかな?君が、臨也と出会った経緯を」
「嫌で、っ!?」
私が不服そうに拒否をしようとしたら、岸谷新羅がどこからともなくメスを取り出し私の首に切りつけた。顔が笑っていなかったから尚更怖かった。
「話して、くれるよね?」
「ちっ……いいですよ」
「よかった〜。君なんかを殺してセルティとの生活を奪われるなんて御免被りたいよ!え?セルティ、ちょっ、ギブ!ごめんなさい!」
PHSを持った黒い腕が私に近づいてきた。画面に『教えてくれないか?』と書かれてあった。むー、そこまで言われるなら……ていうか言わなきゃこのセルティさんに殺されちゃう〜!
「……分かりました。話せばいいんでしょ!話せば!」
「セルティは何を言ったんだい?こんな梃子でも動かない堅物を」
「もうそんなことを言うなら言いませーん」
「ごめん、ごめんって」
ようやく落ち着いて、私はスカートの裾を弄りながら口を開く。うー、我ながら黒歴史だから言いたくなーい!
「……あれは、1ヶ月前のことでした」
私は、過去を話し始めた。臨也さんと出会った衝撃的なあの夜のことを。
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