走れ、タマ!愛のために走るのです!


「ってやっぱりついてくるぅ!?」

「手前はよぉ…どんだけ俺を怒らせてえんだ!!」

「やっばーい☆タマちゃんピーンチ☆」


めちゃくちゃ怒ってるへーわさんがマジ走りしてる(笑)笑えないってば!ああもう公共物を投げんな!死んじゃえ!


「ブッ殺す!!!」

「!」


スローモーションのように大きな柱が私に倒れてくる。やだよ、死にたくない。だって私は……私は…!


「うぎゃっ!?」


何かに巻かれた。黒くてまるで影のような布に巻かれて引き寄せられる。うわーお、視界不良ですなあ。


何かにぎゅうぎゅうと押し込められて、強制的に体育座りで膝を抱えてる。


「ちょっとーなんなんですかいった――んぐっ!!」

「セルティ、女を見なかったか?」


この声はへーわさん…?私を探しているようだ。やべーめっちゃ怒ってるぅ(笑)


「ああ、大体これくらいの身長で黒っぽい服装なんだけど……知らないか…時間取って悪かった」


え?あのへーわさんが謝ってる?これは天変地異が起きる前触れなのか…なあ?なーんて暢気に考えてたら、前へ動き出した。

え?タマちゃん連れ去られちゃう感じですか?ていうか“せるてぃ”さんって誰だよ!

あのへーわさんを謝らせた人が私を拉致(または誘拐?殺人?)か…助け、という可能性は低いかなあー。

もやもや考えてたけど…真っ暗で退屈だから眠くなっちゃ…う………。

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