――ご存知の通り、去年から『義魂丸』を女性死神協会デザインの『ソウルキャンディー』へ変更致しました。
ネーミング、パッケージ以外に変更箇所はございませんので、変わらぬご使用をお願い致します。
尚、パッケージの人気としましては

一番人気がウサギのチャッピー。
二番人気がアヒルのユキ。
三番人気が犬のパプルスです。
その他にもコブラのダイアナ、ドクロのアルフレッド、カラスのクローディア、猫のギンノスケ、パンダのグリンゴ、猿のブルース、カエルのカネシロ、アザラシのシュタイナーなどバラエティーに富んだ仕様です。
お楽しみ下さい。









*おそろいすと*









「……では厳正な話し合いの結果、低い席官順に好きな物を取っていくと言うことで。」

「はい!」



多少戸惑いの混じった葵の言葉に、多くの零番隊隊員が威勢良くうなずいた。
殺那は隣でうなだれていた。



「…葵様、俺には全く理解が出来ないのですが…」

「諦めましょう殺那。
ここでは私達が少数派です。」

「しかし……」



十年に一度、隊員達へ死神協会から支給される「義魂丸」。
最近では「ソウルキャンディー」と言い換えられるようになったが、デザイン変更の効果もあって女子層に幅広く受け入れられてきている。

しかし消耗品なのでこうして定期的に新しい物が配られる際、一つの問題が発生することになった。





「空はやっぱりユキが欲しいんです!
パプルスだって大本命です!」

「私はコブラ辺りがぴったりだと思うのよね、カエルのカネシロ?も嫌いじゃないわ。」

「松本様だったらどの子もきっと似合いますよー!!」



「…やはり理解出来ません。」

「私はなぜ零番隊の義魂丸の支給に乱菊さんが混ざっているのかが分かりません。」



とにもかくにも、今のパッケージに変えてからというもの、女子隊員達が異様にデザインにこだわるようになってしまった。

どのキャラクターが欲しいだの、レア度は何が高いのかだのまで分析され、十年に一度のこの支給の日へ凄まじい熱意で挑んでいる。
それは零番隊の女子隊員も同じことだった。



「じ、じゃあ隊長!
十席の私から選びますね!」

「はいどうぞ。」



ご丁寧に一つ一つ包装されているので、箱に詰められた十一本の義魂丸の中身は見えない。
運に任せて一つを選び、並んだ隣の机へ回す。

慎重に選ぶ隊員、さっと選んでしまう隊員、様は人それぞれだった。



 

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