「ええと……『葵様!お久しぶりです、空です!あ、でも昨日の夜も今朝もお会いしたので全然お久しぶりじゃないですね!四番隊の人たちは良い人ばかりでようやく最近は仕事にも慣れてきました!
でもやっぱり零番隊の頃が懐かしいです…殺ちゃんのゲンコツは嫌でしたけどもう無いのかと思うとさみしくなります、そんなことってありますよね!今日は殺ちゃんからの言伝を頼まれたのでお手紙にしました!空はすぐ言伝の内容を忘れるけどこれなら安心です!ちゃんと殺ちゃんの前で書いてますからもうばっちりです!鬼に諸刃の剣です!
あ、猫ちゃんも最近はすごく元気そうですよ!開発局の人たちとは全然仲良くしてないですけどそこは猫ちゃんだからそれでいいかなって気も
――――葵様、零番隊が復活した日は執務室でささやかな酒宴を行いましたが、解散時は慌ただしさのせいで何も行えていませんでした。
あの時と同じ人員で遅ればせながらささやかな酒宴を行いませんか?
俺の父も是非来てほしいと言っているので、差し支えなければ当家の屋敷で行います。
俺は仕事の関係で少しの間ここを離れるため空に言伝を頼みます。
突然の発案失礼いたしました。』」





「…途中から檻神が書いたのね」

「このままじゃ埒があかんと思ったんやろね……」

「鬼に諸刃の剣とは強そうで弱そうな……」



かなりの長文ながらも、何とか内容はくみ取ることが出来た。
確かに復活の日は京楽や十一番隊、ギンや乱菊と共に小さなお祝いをした事を思い出す。



「あの時と同じメンバーってことは私達も含まれてるのかしら」

「そのようですね」

「貴族の屋敷なんてえらい豪勢やなあ」

「それもそうよねー。朽木隊長の邸に入る難しさを考えたら滅多にあることじゃないし、ラッキー」



では一度空と連絡を取ってみましょう、と葵が手紙を丁寧に折りたたんで引出しにしまった。





そして三日後。

日付の指定を受けた三人と空、そして多少渋りげな七猫が巨体な門の前に並んでいた。



「でえっか…入口からしてでかいわ」

「六番隊長さんとこでもこないに大きくはないわな」

「おーい殺ちゃーん!」

「…眠たそうですね、七猫」

「…四楓院に叩き起こされた」



前髪を人質ならぬ髪質にされたという。



 

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