【零番隊の節分】





「似合いますね…」

「やっぱり殺ちゃんには赤い鬼だね!」

「…こえ」

「…俺はどこからつっこめば良いんでしょうか?」



本日2月3日、節分。
行事大好きな空の提案で豆まきを行ってみようかと言う話にはなったものの、肝心の鬼がいないと零番隊内で気づき。



「やっぱり鬼は殺ちゃん!」



と空の怖いもの知らずな発言がなぜか賛同を得て、どこから持って来たのか怖い鬼のお面を付けられた殺那。
これがまた良く似合う。



「葵様もやるんですか…」

「いえ。私はここで七猫と見ていますから」

「せーぜー逃げなよ檻神」

「七猫の言葉は妙に腹が立つが…少しだけだぞ空」

「ラジャッ!じゃあ皆豆用意ー!」

「「「はい!」」」



隊員全員が一斉に豆を準備した。



「待て、こんなにいるのか!」

「いるよー皆ノリ良いもん」



予想外の人数にたじろぐ殺那と、愉快犯な隊員達。



「「「檻神副隊長覚悟!」」」

「なっ…!」





―節分スタート―

※これより先は豆まき陣と観戦陣の音声を交互にお楽しみ下さい。




「恵方巻き食べましょうか七猫」

「恵方巻きって何」


ビシッビシッ


「そっち行ったー!」

「逃がすなー!」

「今年の安全を願って太巻きを食べるんです」

「食べる」


ギャーギャー


「少しは手加減と言うものをしろ!」

「それじゃあ鬼は倒せないもん!」

「鬼を追い払うのが目的だろうが!」



「うまい」

「そうですね。……七猫は太巻きを真ん中から食べてしまうんですね」


ドガッドガッ


「鬼さん元気がなくなってきたよー!」

「――ッならお前が変われ!」

「にぎゃあ!?」

「…おや、鬼が空に変わりましたね」

「………(太巻きに夢中)」


ビシッビシッ


「いたたたた!痛いこれ痛い!」

「次は空第三席だー!」

「狙えー!」



「ねぇ葵」

「何です?」

「『鬼は外』とかって、言うんじゃないの?」

「あ」


ワーワー


「倒せー!」

「倒せー!」





その後豆が尽きた所で豆まきは終了。
必要な台詞は欠けたけれど、皆満足したらしい。(殺那は二度とやらないと言った)



「楽しかったです!」

「良かったですね空。一つ忘れていますよ」

「何です?」

「年の数だけ豆を食べないと」



死神の年齢=人間の 約 10 倍 。



その日零番隊内で三桁の数の豆を食べる豆まき参加者の姿が見られた。




Fin.

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