「だって今だってここに…」



ガバッと振り向いた乱菊の視線の先から、からかさの隊員の姿は消えていた。
一斉に血の気が引くその面持ちに、阿近がトドメの一撃を。





「そいつスタートにもゴールにもいたんだろ、ここは一本道だから必然的にお前らを抜かさなきゃ先にゴールには来られねぇはずだったんだが…お前らそいつに抜かされたか?」





誰もうなずかなかった。
あの細い道で後ろから誰かが来て追い抜かされれば気づかないはずがない。

そのようすを見た阿近が、あーあーと息を吐いて。





「御愁傷様」





と軽く言った。



その日の夜ギンと乱菊が葵の部屋に泊まりに来たことは言うまでもない。






Fin.
(やだ明かり消さないでよっ)
(来るわ―…からかさお化けが来るわ―)
(…藁人形と日本人形どうしましょう?)
((持ってきたの!?))

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