「ハッシュ!なぁハッシュ!」
「んだようるせぇな…」
「なんだじゃねーよ!お前、いつの間にイオナさんとあんなに仲良くなってんだよズリーよ」
「は?」

朝食後、整備のため格納庫に向かう途中駆け足で声をかけてきたのはザックだ。どうやら先程のイオナとのやりとりを見ていたらしいがハッシュはザックの言う「ズルい」の意味がイマイチわからず「何言ってるんだお前は」といったそっけない反応を見せた。


「お前、あんな仲良くなかっただろ、急に呼び捨てにしてるしよぉ何、何かあったんか?」
「別に関係ねーだろ」
「気になるんだよ!いいじゃねえかちょっとくらい」
「なんでお前が気にすんだよ」
「え?そりゃだって俺だって女の子と仲良くなりたいし?それに急に仲良くなってたら色々詮索したくもなんだろ」
「なんだよ色々って」
「お前なあ男と女で色々っつったら一つだろ」
「だから何だって」
「お前マジで言ってんの」
「は?」

イマイチ噛み合わない会話に流石のザックも根を挙げた。ハッシュの顔は話を続けたくないとかそういうのではなく本気で何か分かっていないいつものハッシュの顔だ。多分しつこくすると殴られる


「お前……面白くねえな」
「あ゛?お前いきなり喧嘩うってんのか」
「チガイマース」
「な!ハッシュ!!」
「なんだよ」


ザックを相手していると、また別の新人たちがハッシュのところに駆けてきた。

「さっき話してたのって、イオナさんだよな!」
「そうだけど…みりゃわかんだろ」
「いや、髪下ろしたら大分印象違ったからさ」
「ちょっとビックリして…な」
「ああ…」
「ハッシュ、仲良さそうにしてたけど前から知ってたのか?」
「前、って言うほどでもないけどまあな」

そう答えると周りから「いいなぁ」「教えろよ」「ズルいぞ」と声が上がったがこれまた意味の分からないハッシュは首をかしげる

その様子にザックは先程のハッシュの様子を思い出していた

イオナと話すハッシュの表情は以前よりも少し柔らかく他の誰かを相手にしているときよりも幸せそうに見えて勘ぐって声をかけたのだがハッシュの様子を見ているとどうも検討違いだったように思える。


「何だよさっきからズルイズルイって…」
「いやぁフツーの反応だと思うぞ?」
「は?」
(俺の勘違い…か……?


それとも……)



ザックの勘が正しいのか否か、答えがわかるのはまだ少し先のお話





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