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「先輩」
「………」
「先輩、やっぱり最近変ですよ」
「そんなことない…」

寮に戻り、レギュラスが心配そうに話しかけてくる。
でも、こんなこと相談できないのではぐらかす。
それでもなかなか食い下がってきて離してくれない。

「情緒不安定ですよね、最近」
「………」
「僕心配何なんですよ、先輩のこと。」

真っ直ぐ僕を見てくるその視線を、僕は合わせることができなかった。

「何も…心配することはない。大丈夫、僕はもう、大丈夫。」

その言葉は半分自分に言い聞かせていた。

「はは、僕らしくなかったな。たかが一人の、しかもマグル生まれの女に振り回されるなんて。もう大丈夫だ、レギュラス。心配かけたな。」
「エバンズさんは…関係ありませんよね…?」
「………えっ」
「先輩!!」

大声をあげたかと思うといきなり手を掴んできて少しびっくりする。

「何かの呪いにでもかけられました?」



「は?」



「だって!いきなり暴れだしたかと思うと死んだように静かになって、それでぶつぶつ独り言言ったり精神病んでるし、かとおもったらまたハイになって。何かの呪いですよねこれ?」
「あ、ああ…」

外からはそんな風に見えていたのか…。
僕は一気に恥ずかしくなり、当時の自分に悪態をついた。

「それかけたの、やっぱりポッターですか?シリウスですか?どちらにせよ、質の悪いやつらですね!」
「あ、いや、まぁ…うん」

どちらかというと、どちらでもなく、ルーピン…。

「僕、先輩みたいな症状の呪い見たことなくて。結構探してみたんですけど、見つかりませんでした。」
「そうか、それは、ご苦労だったな…」
「呪文は?覚えてますか?」
「うーん、なんだったっけな…?」
「何色の閃光?」
「赤…いや、青だったかも…」
「とりあえず!僕は先輩の呪いを解くために、これからも研究を続けようと思います。先輩も何か思い出したらいってください!」
「あぁ、わかった…。」

レギュラスは、案外アホなのかもしれない。
だが自分のためにここまでしてくれて、なんだか申し訳ない気持ちがした。


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