雑談【宮牧】
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「あ、宮田さんいらっしゃーい!」
「なんですかそのおばちゃんくさい歓迎…」
「え?そうですかね…。あ、コート持ちますよ」
「ああ、ありがとうございます」
「今日は信者さんに頂いたちょっといいお酒があるんですよ」
「へぇ、いいですね」
「のみましょっか」
「牧野さんが飲みすぎないようみててあげますよ」
「ふふふ、優秀なお医者さんがついているから安心ですねっ」
「…もう酔ってるんですか?」
「え?」
「なんでもないです」

「そういえば一人お医者様がお辞めになられたそうですね。」
「辞めたというか、まぁ、はい。医局に戻りました。」
「また新しいお医者様がいらっしゃるのですか?」
「ええ。外科医が1人………。ああもう研修医が二人も居るときにめんどくさい。どうしてこんなところでわざわざ研修させるんですかね?意味がわからない。」
「その方々も医局というところからいらっしゃるのですか?」
「そうですよ。ほらあの…白い巨塔です。牧野さん見てたでしょう?」
「ああ、あれですか!お医者さんは大変なんだなーと思いながら見てました。…ああすみません、別に、あの、他意は無いんです。本当に大変そうだなって………。み、宮田さんは大学病院で働きたいな、なんてお考えになられないんですか?」
「おれが医局ですか、それ本気で言ってますか牧野さん。」
「え?ええ………。こんな寒村よりよっぽどお勉強になるのではないのですか?」
「大学は嫌なところです。知ってますか牧野さん!俺はですね、看護師に先生の書いたカルテは読めないと言われるほど文才がないんです。わかりますか?どこの骨が折れてるか、とかどの部位が炎症を起こしてるかとかいう短文にも満たない短文ですよ!?泣いちゃいますよね。…ああやだ。あそこにいると、頭が狂うかと思うほど論文、論文、論文なんです!見ます?見ます?牧野さん。俺が学生時代に書いた論文。」
「わぁ見たいです!」
「…冗談ですよ。やです。あんなの牧野さんに見せるの」
「えぇ…。残念です」
「そもそも医局なんて嫌ですよ。あんな窮屈な所。俺には合わないんです。上から命令されて動くとか…それに」
「………それに?」
「牧野さんに会えなくなっちゃうじゃないですか。」
「…………。」
「…………。」
「…………宮田さん酔っているんですか?」
「いいえ。………あ、牧野さん今あまり病院に来ないでくださいね」
「え…?」
「インフルエンザが流行って来ましたから。牧野さん予防接種まだでしたよね?教会も人が多く集まる場所ですから気を付けて下さいね。」
「ふふっ、ありがとうございます。宮田さんやっぱり酔ってますよね?お喋りになりましたね」
「酔ってませんよ。牧野さんこそ酔ってるんじゃないですか?さっきからにこにこにこにこ。笑いっぱなしですよ」
「えー、そうですか?」
「そうですよ」
「でも宮田さんより酔ってませんよぅ。」
「なんですかその可愛い言い方。襲っていいですか?」
「え!?ほら、やっぱり酔ってる…!」
「じゃあもう酔ってていいです。襲っていいですか」
「だ、だ、駄目です…あぅう」
「いいじゃないですかいいですよね」
「あ、ちょっと…宮田さ」


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