2014/06/28 23:07
▽戯れ(SS/空剣・魔族長)


※気持ち悪い。恐らく当サイト至上最高に気持ち悪い。
※気持ち悪くてかっこよくない魔族長がいる。
※気持ち悪い上に破廉恥。
※気持ち悪い。


※デフォ名:名無







ヤツは変態だ。仕事はそれなりにできるヤツなのに性癖が大いに難あり、だ。
まあ、そんなのこと普段の私にはどうでもいいことで、別にいちいち他人の趣味にどうこう文句をつけている訳ではない。ただ、その異常な性癖の矛先を私に向けるから文句を言いたくなるのだ。

「はぁ、…んっ…、はあ」
「おい、ギラヒム」
「んんっ…、んあ…なんだね」
「…いや、なんでもない」

今も熱心に私の靴を丹念に舐めている。あの長い舌が余すことなく私の靴をびしゃびしゃにするくらい、隅から隅まで。普段は自分の住処から出ないから靴もめったに汚れはしない。しかし今日はあちこちと出かけて回っていたので、今日に限ってはないと思っていたのによりによってわざわざ今日、来た。私が外に出るのを待っていたわけじゃないよな。あぁ、気持ち悪い。

ごくん。口内に溜まった唾液を飲み干す音が背筋に悪寒を走らせる。
いつの間にか靴の汚れはすべてギラヒムの唾液と変わっていた。

「なあ…、なぁ、名無」

ヤツは私の靴をつかんだ姿勢のまま、私を見上げる。悩ましげに寄せられた眉と蒸気した頬が気持ち悪い。

「…なに?」
「そろそろ、いいか、なあ、いいだろう?」
「…ダメっていったら?」
「はぁっ、…ん、それでもいい」

私の返答に頬を緩ませ―なぜ断ったのに嬉しそうなんだ―靴底に鼻をつけるようにまた丹念に靴を舐め始めた。何を、と聞かなくなった自分に少し嫌気がさす。それに興味本位で断ったが先に進ませなければこの行為が長引くことに気付いた。仕方ないので足の甲に力を入れて顔を踏みつける。するとヤツの厚い唇が嬉しそうに吊り上がった。
靴をつかんでいたギラヒムの手が足に触れる。するりと這い上がる腕。慣れた手つき靴が脱がされると、ギラヒムの手の感触がよりリアルに私の足に伝わった。その間も私の足を舐めつづけているから、本当に気持ち悪い。

徐々に、徐々にと登ってくる舌はまるで別の生き物のようだった。例えるなら蛇のような、執拗な舌。たまにちらりと見上げてくるギラヒムの視線がそう思わせているだけかもしれない。
私が変なことを考えているうちに、ギラヒムが自然な手つきで内側へ迫ってくる。最初より舐めあげる動作が増えヤツとの距離が縮まってきた。相変わらず息遣いを荒くさせているが、着々と事態を進めているあたりがコイツらしくて嫌いだ。
最初はつま先より向こう側にあったヤツの頭がもう膝あたりにある。しかも、内股側というのがさらに不快感を増加させた。

「オイ、…ギラヒム」

私が名前を呼ぶと横目で、しかし恍惚とした視線がこちらへ向けられる。

「んっ…、はぁっ、なんだ…」
「あまり調子に乗るなよ」
「ふっ…ん、まぁ、いい…。そうだな、名無の機嫌を損なうのも…、んあ、気が引ける」

そういいながらもヤツは身を引こうとしない。時折、私の足の裏へ手を伸ばし足の指を確かめるように触れるのが最高に気持ち悪かった。
太ももに唇が触れる。痕をつけないくらいの軽さで口づけ、離れ、舐める。
気持ち悪い。体中を駆け上がる寒気に、生唾を飲んだ。

「名無…、キミも興奮しているのか?」
「気持ち悪さに寒気がしただけだ。お前と一緒にするな」
くすぐるように触れるヤツの歯が、まるで噛みついてくるのではないかと冷や冷やさせる。

「ふふ、照れなくてもいいんだよ」

ここで一気に間合いを詰めたギラヒムが私のすぐ前まで迫ってきた。その長い前髪を掴んでヤツの耳にかける。露わになった両の瞳は相変わらず恍惚の光を宿していた。

「…気持ち悪い」

貶したのにヤツは幸せそうに唇の両端をあげる。まるで、私の言葉を待っていたかのように舌なめずりまでして、またヤツは視線を私から落とした。それに私はため息ひとつ。

ぺろりと舐めあげられる足の付け根に、限界を感じた。








ギラヒム様ってどういうキャラなんですかね…。






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