一日遅れの誕生日


「ハッピーバースデー!」

そう言って電話がかかってきた。

僕の彼女、京は今短期留学でアメリカにいる。

時差があるのに、わざわざ日本時間の12時ピッタリに電話をかけてくれる彼女。

とても嬉しいのだが、彼女はひとつ、大事なことを忘れているようだ。

「わざわざありがとうございます、京。でも、ひとつ大事なことを忘れていませんか?」

「大事なこと…?あ、誕生日プレゼントは帰ってから渡すね」

「それではなくて」

「んー…?」

しばらく黙り込む京。

きっと携帯を片手に首をひねっているのだろう。

想像しただけでとても可愛い。

じゃなくて。

「今日は何日ですか?」

「1月31日でしょ?」

「違いますよ」

「え、うそ!」

僕はカレンダーを見ながらしゃべる。

1月31日は昨日だ。

きっと京は時差のことをすっかり忘れていたのだろう。

「そっか…時間ばっかり気にしてて、日にち確認するの忘れてた…」

テツヤ、ごめんね、と泣きそうな声で謝る京に少し、悪戯心が働く。

「……許しません」

「ご、ごめんね…」

「電話越しに謝られても、許しませんよ。…だから…早く、京の元気な、可愛い顔を見せてください」

遠まわしに早く会いたいと伝えてみる。

この思いは届いただろうか。

「うん、帰ったらすぐにテツヤに連絡するね」

…きっと表面上の想いしか伝わっていない。

彼女は鈍感だから。

けれど、それでもいい。

いつかきっとこの想いが届くと信じているから。

「はい、待ってますね」

「うん!…あ、もうこんな時間…遅くに電話してごめんね。テツヤの声聞けてよかった」

ふと、時計を見ると1時前だった。

「僕もです。元気そうでよかった」

「…なんか、声聞いたら会いたくなっちゃった……」

「……早く、」

帰ってきてください。

そう言いかけた言葉を飲み込む。

そうしたいのは京も同じだ。

僕が支えなければ。

「どうしたの?」

「いえ、なんでもありません。そうですね、でもあと2日です。そちらで頑張っていろいろと学んできてください」

「そうだね、頑張るよ」

「僕も、バスケ頑張ります。…帰ってきたら、デートしましょうね」

「もちろん!すでに楽しみ」

えへへと笑う彼女に、そろそろ寝ましょうかと告げる。

「ん、じゃぁお休み」

「はい、お休みなさい」

そして、電話が切れる直前に僕はつぶやいた。

「………――――――……」

彼女の返事を聞く前に電話が切れる。

その言葉は届いただろうか。

届いているならば、きっと帰ってきてすぐに彼女から同じ言葉を返してもらえるだろう。

届いていないのならば、何度でも言おう。




















「………愛していますよ、京……」
















END





あとがき

はい、初の黒バス夢でした!

話の筋とオチが迷子…
よくわからない文章になってしまいました

そして、タイトル通り、一日遅れになってしまいました…
許して…黒子っち…


ここまで読んでくださった京様、ありがとうございました!

拍手に黒こっち生息中ですので、もし良ければそちらもどうぞ↓

一日遅れの誕生日



2014.02.01



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