テツヤと変態キセキと鋏と私


「おはよう」

「おはようございます」

今日はある冬の部活の1日。

僕が声をかける前に、マネージャーである京さんがあいさつをしてくれた。

彼女とは同い年で、中学のころからの付き合いだ。

主な仕事はドリンク作りなどのマネージャー業だが、監督と一緒に練習メニューを作ったりもしてくれている。

「あ、テツヤ寝癖ついてる」

そう言って僕の髪に手を伸ばす京さん。

しばらく柔らかな手付きで、髪を梳く。

「はい、直ったよー」

「ありがとうございます」

「いえいえー、それより早く着替えてきたら?」

そうします、と返事をして僕は部室に入った。









入った瞬間後悔するのだが。



「………………」

そこには何故かキセキが勢ぞろいしていた。



下着姿で。


「失礼しました。では、僕はこれで」

「テツヤ。待つんだ」

「いえ、お邪魔してすみませんでした。僕はしばらくここには来ないので、皆さんで楽しんでください」

赤司くんの言葉を軽く流して後ろを向く。

「テツヤ?どうかしたの?」

「なんでもありませんよ。それより、今から体育館に行くんですよね?僕も先に体育館に行きます」

首をかしげる京の手を取り、足早に去る。

はずだったのだが…………

「テツヤ?僕の言うことは……?」

逆らえませんでした。

「ゼ、ゼッターイ……です……」

泣きそうな顔をして答えると、ものすごく微笑んでいる赤司くんが真後ろにいた。

「京も、中に入ろうか」

「えっ、何で征十郎が…」

「入ろうか」

あぁ、京巻き添えにしてごめんなさい。

でも流石に赤司くんには逆らえないです。

なんか後ろでショキショキ聞こえますし…

「ちょっ、テツヤー」

「逆らわない方がいいですよ…」

こうして僕と京は仲良く部室に拉致されました。



「さて、何か質問はあるかい?」

「はい!」

部室のイスに僕と京が座り、それを他のキセキが囲むという…

なんとも不思議なことになっています。

そして今、赤司くんの問いかけに京が元気良く手を挙げました。

「とりあえず一つ目、何故皆さんパンツ一枚?」

この質問に赤司くんの目が輝いた気がしたのですが、そこはスルーします。

「よく聞いてくれたね。今皆で野球拳をしていたんだ」

「…人の学校の部室に忍び込んで?」

「何か言ったかい?」

とりあえず京、しばらく黙りましょうか。

またショキンショキン聞こえます。

「じゃあ、二つ目、何故朝から?」

「僕が今したいと思ったからだよ」

「……征十郎は王様でs\シャキーンシャキーン/………」

「何か言ったかい?」

もうやめましょうよ、僕たちの命が危ないですよ。

………それより何で青峰くん達は喋らないんでしょうか?

ソーっと周りを見渡すと、赤司くん以外皆死んだ目をしていました。

何かあったんでしょうね………

「じゃあ、三つ目、何故テツヤと私を拉致しt\シャキーンシャキーンシャキーン/」

「何か、言ったかい?」

「……もういいです、なんでもありません」

「では、質問もなくなったし、続きをしようか」

赤司くんが先ほどよりもいい笑顔でみんなを見渡したため、全員の顔がひきつる。

「僕の言うことに不満でもあるのか、大輝?」

青峰くんが今赤司くんの餌食になりました。

シャキシャキという効果音と共に、青くて細いものが宙を舞っているのはきっと幻覚でしょう。

「京、逃げますよ」

惚けている京の手を引き、ミスディレクションを使って外に飛び出す。

飛び出す寸前に聞こえた青峰くんの叫び声はきっと幻聴…………だと思っておきます。




「はぁ……あのままだったら、きっと僕や京も参加させられていたんでしょうね……」

とりあえず、京の服を脱がす輩は僕が許しませんから。

例えそれが赤司くんであっても。

「テツヤ……むっちゃ黒いオーラ出てるんだけど…」

そう言って僕を心配してくれる京の頭を撫でる。

「大丈夫ですよ、京は僕が守りますから」

そして頭を撫でていた手を頬におろし、軽く口付けをする。

「真っ赤な顔も……可愛いですよ?」

ニコッと笑うと、さらに赤くなる京。

もう一度口付けしようとしたところで監督に見つかり、海老反りの刑に処されました。






もちろん、キセキたちも監督によって何かしらの刑を受けました。
そして冬に寒い部室にパンツ一枚でいて、風邪を引きかけたとか……

自業自得ですよね。







END




あとがき

はい、終わったー(笑)

赤司様と黒こっちと夢主しか喋ってない…………
そして青峰が不憫!
ごめんなさい

やらかしました…!

拍手に黒こっち生息中ですので、よかったらどうそ!↓
テツヤと変態キセキと鋏と私

オマケ↓



「ねぇ、征十郎ってあんなに鋏好きだったの?」

「いえ、どちらかというと、鋏の音で人の話を遮るのが\シャキーンシャキーン/……………好きなようです」

「なるほど……でも何で急に鋏に目覚めたの?」

「元は緑間くんのラッキーアイテム\シャキーンシャキーン/………を借りただけ\シャキーンシャキーン/……………だったのですが\シャキーンシャキーンシャキーンシャキーン/……………………………………」

「o(`・ω´・+o) ドヤァ…!」

「いや、征十郎!ドヤ顔してないで逃げて!テツヤから黒いオーラが出てるから!そのうちイグナイトが………………あ」

「いくら赤司くんでも……………さすがに怒りますよ…………?」

「☆⌒☆⌒☆⌒ヾ(*>ω<)ノ」

「赤司くん待ってください」

「こうして征十郎とテツヤは去っていった………と」



2014.04.08 訂正



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