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―黒い人達―

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どうしたんだろう
じーちゃんが居なくなってからちょっと

朝、目がさめたら黒い人達がいっぱいいる

知っている人も、知らない人もいっぱいいる

みんなみんな何だか悲しそうだ
何なのだろう？

ばーちゃんに聞こうにもばーちゃんは居ないし
じーちゃんに聞こうにもじーちゃんはちょっと前から居ない

僕はどうしたらいいのか分からずに
ただただその黒い人達を眺めていた

みんななんだか悲しそう
泣いている人もたくさん居る

何なのだろうと思いながら
みんなのいるお部屋に入ってみたら
たくさんのお花の中に
じーちゃんの写真が置かれているのを見つけた

じーちゃんの誕生日はまだ後だから
誕生日のお祝いではないよね
何なのだろう？

黒い人達が皆居なくなったその後に
ばーちゃんは泣いていた
小さい箱を抱えながらずっと泣いていた

多分じーちゃんが泣かせたんだ
じーちゃんが帰ってこないからばーちゃんは悲しいんだ

『こんなにばーちゃんを泣かせてじーちゃんは悪い奴だ！
帰って来たら僕がかじってやる！』

と、そう言いながら僕は一人で眠りにつこうとした
”帰って来たら”なんて言ったけど、心の奥では気付いていたんだと思う

”多分…違う、もう絶対に じーちゃんは帰って来ない”

なんでだかは分からないけどそう感じたんだ
そう感じた途端にポロポロ涙が出てくる
とまれとまれと思っても涙は止まってくれない
僕はそのままずっと一人で泣いていた

その晩ずっと
じーちゃんが作った風車が小さく悲しい声をあげていた

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