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―あの嫌な音―
ふと目が醒めたらもう夜だった
真っ暗じゃなかったのは
おばちゃん達が帰って来てたからだ
おばちゃんは落ち込んでいるし
他の人達も口を開かない
しんとしたお茶の間に
なんとも言えない心地の悪い空気が流れる
誰も喋らないから僕から口を開いた
「おばちゃん、僕ばーちゃんにお花で驚かせてあげるんだ
ばーちゃんいつ帰ってくるかな?帰ってきたらおばちゃんも
一緒にばーちゃんを驚かせよう?」
おばちゃんは何か言おうとしていたみたいだけど
ぐっと口を噤んでから一息を吐いて
「そうだね、お母さんのこと驚かせないとね
いっぱいお花を用意しないといけないね」
「うん!」
なんだ、やっぱりばーちゃんは帰って来るんだな
じーちゃんが大丈夫って言ってたみたいなのは本当だったんだ
じーちゃんは凄いな
「あのね、さっきじーちゃんがね…」
じーちゃんが大丈夫ってしてたよ!とか
この日は夜遅くまでおばちゃん達と話していた
何故だか全然眠気が来なくて
次は驚かせ方とかお誕生日のお祝いの仕方とかを
話そうとして、
「それでね…」
そう言いかけたところで電話がなった
何時もだったらありえない時間
おばちゃんの表情が曇る
じーちゃんの時のおばちゃんを思い出す
あれ、
ばーちゃん?
…ばーちゃん…?
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