小6の春
「五目並べでさえ勝てないなんて…」
「あはは。名前ちゃんはちょっと分かりやすいんだよ」
「そんな事ないって!私だって囲碁以外でならアキラ君に勝てるもんね!」
「例えば?」
「あー…えーっと…一輪車とか…?」
「名前ちゃん一輪車上手だもんね。確かにそれは勝てないや!」
「ぐっ…勝った気がしない…」
「あはは、囲碁でアキラ君に勝とうなんて無理だよ名前ちゃん。おじさんでも勝てないんだからねえ」
「でも私がやってるの五目並べだよ?五目並べる事すらできないなんて…」
「ははは、アキラ君は天才だからなぁ」
「名前ちゃん、おじさんと打つかい?アキラ君とやるよりは勝率あるよ」
「ほんと!?」
「おっと、名前ちゃんは今から俺と打つんだよな?」
「ぎゃっ!」
「緒方さん!こんにちは」
「緒方先生!久しぶりじゃないですか!」
「ええ。たまたま通りかかったんで寄ってみたんですよ。アキラ君と名前ちゃんは…五目並べか。ははは、その顔はまた負けたな、名前ちゃん」
「もー!!頭掴まないでよ緒方さん!!髪が乱れるでしょ!」
「お?いっちょ前に髪型を事気にしてんのか。ついこの間までおねしょしてた子がなぁ」
「ギャーッ!!この間じゃないしもう何年も前だし!!緒方さんの馬鹿!嫌い!」
「ははは、嫌われたもんだなぁ。折角寿司でも食わせてやろうと思ったのに」
「えっ寿司!?」
「名前ちゃん好きだろう?大トロ」
「す、好き〜〜!!」
「俺の事は?」
「すっ…ぐ…きっうっ…!!」
「お、葛藤してるな。アキラ君も行くだろ?」
「はい!」
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