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 アリビンゲーブ 14

彼は私が入室するのをじっと眺め、後ろ手に扉を閉めた。


ぎい、ばたん。


まただ。
逃げられない、怖いような、身震いするようなこの感覚。
世界から切り取られたように、この部屋だけが存在しているよう。

三つ編みの下の、うなじの辺りが何故かじりじりと熱い。

視線で、熱い?
そんなことってある?

振り向こうにも振り向けない。
どうしよう。

ふっ、と彼が鼻で笑った気がした。
次の瞬間、彼の香りがぐっと近づく。

後ろから力強い両腕が私の体を掴んだ。

「あ…っ」

抱きしめる、とはまた違う。
欲望だけで動いているような『男』を感じる。

片方の手が腰をがっちりと固定し、もう片方がシャツの中に潜り込んでくる。

いつシャツの下に入り込んだのか、直に感じる彼の手の熱さにくらくらとしながら、少なからず心地よさを感じてしまう。
後ろから触れられて思わず前傾してしまうが、それも彼の手によって阻まれる。

何だか、全て一歩先の行動を取られているようで居心地が悪い。
ここは完全に兵長のテリトリー内だ。



  


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