03.01≫追記




◎「ワタシは大人だから」の裏舞台
実はまだ続きがあったのですが、都合上割愛したストーリーです。


ずっと会話文です





「え、じゃあじゃあ、俺達海さん公認頂いたんでー、気兼ねなく椿くんとデートしてきますから」
「えー」
「邪魔するのはナシっすよ。達海さんもう椿くんと行ったって貸しがあるんですから」
「…デートってか、反省会の延長としか思われてないけどね」
「あーどうしようかなー、椿くんの為に国立貸し切っちゃおうかなー。椿くんに、ロマンチストなんですね、って言われたい」
「それはずるいだろー」
「だって俺、日本代表ですからぁ、特権とお金はこういう時に使わないと損でしょ」
「…うちは貧乏なんだよ」
「達海さんだってETUのスーパースターじゃないんですか」
「おうおうなめんなよ」
「別にばかにしてるつもりはないです。尊敬してますよ、俺」
「あーなんかだめ。そんな気無いでしょ」
「えー、信用無いなー」
「うまそうにあんみつ食ってる椿の写真もう見してやんない」
「ちょ、なんですかその切り札!すんません達海さん謝るから許してくださいまじで見せてお願いしますねえ達海さん」
「あーかわいーなーピースとかしちゃってぇ」
「達海さんー…ねえってばー」
「ごめんなさいは?」
「……ごめんなさい。でも、ほんとですよ、尊敬してるってのは」
「うん、許す」
「え、早……もうちょっと渋ってもいいんじゃないすか」
「いや別に…」
「つーか、写メじゃないんですね!デジカメって結構見ないすよ」
「うちの広報が頑張ってっからね。それに協力中だった」
「広報?」
「監督の日常をETUのSN…ナントカに載せるっつって、カメラ貸してくれて」
「SNSっすね、多分。…え、椿くんの写真全国にお披露目しちゃうんですか」
「いや、これは違う。撮りたくなったときに、手元にあったのがこれだった」
「達海さん、携帯持ってないんすか」
「使わないからなー」
「あははは何で!?現代日本人の武器であり利器であり象徴ですよ。無くちゃ死ぬやつもいるくらい」
「そういうもん?」
「一般的にはそうっすね」
「…ふーん」
「ま、俺もたまにメールしたりツイートするくらいしか使いませんけど」
「ツイート?」
「うちはサポーター向けに選手全員が公式アカウント作ってて。俺はあんまり呟かないんですけど、城さんとかもうbotにしか見えなくてサポーター内でウケてます…ってのはどうでもよくて」
「……」
「椿くんですら携帯持ってますよ。ガラケーでしたけど。連絡とか取れて便利すから」
「まぁ、そだね」
「実は椿くんのアドレス、知ってたりしますからね、俺」
「うそぉ」
「めっちゃ可愛いジブリデコメとかで来ますよ」
「メールやりとりしてんの」
「メール文面ではわりとよく喋る貴重な椿くんを、俺は知ってるんですからね」
「それは分かる。俺も文通してるから」
「え、」
「ほんとほんと」
「いろいろ言いたいことはあるんすけど、え、まって、文通なんてとっくに絶滅したと思ってました。最早一周回って新しい」
「楽しいよ」
「あはは!でしょうね!」
「律儀だからね、椿」
「細々と便箋にしたためてんのが目に浮かぶんですけど」
「…まあ、というわけで、不便はしてないね」
「そうっすよねーどうせ生声聞けますよねー」
「拗ねんなって」
「拗ねたくもなりますよ。達海さんのが優位だって、誰が見たって思いますから」
「まあそれは、デートに連れてってから、ちゃんと吟味して言うんだね」
「……」
「…なんだよー」
「達海さんって優しいっすね」
「いきなりなんだよ。褒めたって何にもでないよ…あ、チョコならあった。食べる?」
「うわーまじ惚れます。弱者に差しのべる手とか、スマートに持ち合わせちゃったりとか。なんかね、そういうこと言えちゃうのって、大人っすよ。…いただきます」
「…俺一応35だからね」
「俺なんか全然余裕無いっすもん。はー敵わないや」
「試合はいつも0対0から始まるもんだよ」
「現実はそうもいかないでしょ。フェアな方が珍しいし」


椿くんにメールを送ったようです


「じゃあ、帰ります。デート楽しんできますね」
「了解の返事も貰ってねーくせに」
「うわっ、きびしー」
「……まぁ、またおいで。その時は世間話をしよう」
「…分かりました。あ、手紙書きますよ、じゃあ。牽制し合うんすよね、お互い。でも俺、字は汚いんで期待はしないでください」
「大丈夫。俺の字は椿泣かせで有名だから」
「あ、なんかずるいなんかえろい!…じゃあ俺はピッチ上の椿くん泣かせでお願いしますね」
「それ、俺泣かせでもあるね」
「あははは、その通りっす」
「嫌みかーそれー」
「嫌みです」





実は仲良しなんじゃないか…


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