トロイメライ

生まれ落ちた瞬間
漠然と在る確率に乗って
無慈悲に下す才能の命
一生掛けて背負う全能

普通を捧げ しがらみの中へ
毎夜訪れる孤独と痛み
突き刺した皮膚の隙間から
跡形も無く消えていけ

何枚書いても決まらない正解
手元に残されたのは
無惨に 無常に続く刻
何もかも全てが手の内にあるようで
実際はどれもこれも全てが虚影
手札一枚 小さな世界
創り上げた僅かな希望も
木っ端微塵に崩れてく

誰一人理解出来やしない
嗚呼、もう嫌なんだ
誰一人辿り着けやしないから

普通を捧げ しがらみの中へ
毎夜訪れる孤独と痛み
突き刺した皮膚の隙間から
跡形も無く消えていけ

何年経っても見えない正解
視界に映る 傷だらけの手
何もかも全て厭になったって
足掻くだけ無駄な努力だろう？
荒む焦燥   尊い世界
築き上げた地位も絆も
消息不明に朽ちていく

何一つ触れられやしない
嗚呼、もう辛いんだ
何一つ得られやしないから

自己を壊して 極地の先へ
凄惨な部屋 溜まる駄作
差し込む朝陽の光と共に
跡形も無く消えていけ

奇跡と言えば聞こえは良いけど
裏を返せば呪いも同然
何時しか隅まで支配され
死ぬ間際まで纏わりつくんだ
神に愛された哀れな命を
どうか今すぐに、掬って欲しい

生まれ落ちた瞬間
漠然と在る確率に乗って
無慈悲に下す才能の命
一生掛けて背負う全能

普通を捧げ しがらみの中へ
蝕み拡がる孤独と痛み
夜明けが齎す倦怠 動悸
｢二度と朝など来なければいい｣
なんて、簡単で困難で
突き刺した心臓  喚く声帯
之で終わりだ 一滴残らず消えてくれ

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