MEMO

2023/09/26 22:18

謎の没メモを発見したので供養
エッッッなポエムを書きたかったらしい。

蜜(仮)
瑞々しい花の如く、成熟した女の気配を見せようとも、彼は蜜蜂のように寄り付いてはこない。
何故なら彼女こそが蜜蜂であり、彼こそが花だったからだ。
彼は甘い蜜で引き寄せ、粘る液で姿体を絡めとる肉食の花。己の立場と罠に気付き、もがいたところでもう遅い。蜜を啜ったが最後、骨の髄が溶けて彼の身内に染み込むまで、乱れるだけだ。
甘くいななくほど、ひきしまる恍惚に達するほど、彼の愉悦を感じるほど、それでいいと満たされる。
狂った心緒に巻かれ、なまめかしい死の床が、彼女の背を受け止めた。



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