刀装シリーズ | ナノ
連隊戦、第二部隊
池田屋から帰ってきた部隊も集め。
「今回、第一部隊が四戦まで受け持つ。で、第二部隊の俺っちたちがそこから三戦だ。残りの三戦は第三部隊の旦那達が迎え撃つ」
広間に集まる短刀達。その中心にいるのは薬研、厳かによく通る声で言い放つ。輪になって真剣に聞く顔ぶれを見渡し、言葉の続きを言った。
「知っての通り、第二部隊の隊長は俺*研藤四郎で、隊員はーーー」
ごくり、と音が鳴る。
「小夜左文字、博多藤四郎、平野藤四郎、前田藤四郎、愛染国俊の六名だ」
「あーーー!駄目だったああああああ」
「よっしゃあああああ!」
叫んだのは後藤藤四郎と愛染国俊だった。手と膝をつきがっくりする後藤の傍ら、愛染はお祭り以上のテンションで今にも出陣しそうだ。なんとなく危ないと思い、小夜は愛染の上着の端を持っている。・・・引きちぎっていきそうだ。さりげなく、前田と平野のコンビが行き先に移動していた。博多は先ほどから今回でいくら小判を使うのか切り詰めて計算していた。前回の大阪城でどっさりと小判が潤ったが、悲ほ・・・秘宝の里において手形の記憶もとい悪夢と戦っているのだ。
「はーーー、少し残念。いつも第一部隊のお兄さん達で事足りるから、夜戦以外でも、と思ってたんだけどね・・・」
「で、でも、今回のこれも室内と夜戦らしいですよ」
「もうっ!それはそれ!これはこれ!て、五虎退。なんか、選ばれてなくて安心してない〜?」
「ううっ、出陣は苦手です・・・」
「そんな事言って、戦闘では会心の一撃で仕留めまくりじゃん」
「あ、あれは」
少し残念そうに言う乱に、五虎退はわたわたした。日々の出陣のことをつっこまれ、顔を染めた。影で誉をとりまくる男、五虎退。そんな五虎退に秋田はこっそり憧れてる。
「おいおい、そこまでにしてやれよ。でも鯰兄から聞いたが大将、本丸全員交代しながら挑むて言ってたらしいぜ、そうだよな薬研!」
「そういえば、そんなこといっていたような・・・?それにしても、ほんまるぜんいんでうごくなんてはじめてのことですよね!みだれのいったとおりだいたい、だいいちぶたいいれかえればいいだけでし「いまの、これ以上話しちゃいけない」ええー」
乱に厚は苦笑混じりに言った。でも、どことなく楽しそうだ。ついで、今剣も喋るが小夜に遮られる。小夜はストッパーとして板についてきた。
「厚の言うとおりだ。今回はこんな感じにしただけで、まだ機会はある」
その言葉を聞いた途端、落ち込んでいた後藤はぱああああああっと顔を輝かせた。
「さてーーー
この前の政府が用意した練度上げがあったとはいえ、後藤。
まだ練度低いからな?
池田屋行くか」
こきりっと音を鳴らし、座ったままの後藤を引きずって行く。
「ちょっと待て!お前も俺も池田屋から、さっき帰ってきたばか「今回は索敵とか無しのぶっ続けの連戦だ。すぐ遠戦が飛んでくるぞ。 慣れておこうぜ」
ぎゃああああっと悲鳴が聞こえるが、みんな気にしていない。戦いは嫌ではないけれど帰ってきたばかりの後藤は少し休みたいようである。
「じゃあ、俺も行こーう」
「こういうのたふというそうですよ!」
「今剣、色々知ってんな!」
「どうだ、すごいでしょう!」
疲れもみせない愛染と今剣。元気に会話しながら二人の後へついて行く。残った短刀達はそれを眺めながら、それぞれ内番など自分がやることに戻っていった。
「薬研、負けず嫌いな部分がありますね・・・」
「隊長も兼ねているので、よりいっそう責任を感じているのでしょう」
「凄いなーーー!僕も選ばれた時の為に頑張ろう!」
「秋田は・・・まあ、いいばい。うーん、これじゃあ財源厳しか。でも、ここが投資時・・・」
「・・・まだ計算してたんだ」
【連隊戦、第二部隊】
第一部隊から、第二部隊へ。
第二部隊から、第三部隊へ。
パンッ
タッチ音は軽快な音を立てて鳴り響く。
思いを託して、戦う。
15/12/31
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