刀装シリーズ | ナノ
それは少し先の話
兄様達の墓≠ヨ、花を手向ける。宗三兄様は、持ち物を埋めて江雪兄様のとなりに。
大倶利伽羅さんの墓には相変わらず刀装兵がいた。隣にいる鶴丸さんがその光景を眺めている。今までの、おかしな部分が潜ませてかつての短刀達を眺めていた頃みたいに。
穢れが消えてないのに鶴丸さんが昔みたいに戻ってる。纏う靄が薄くなっていってる。
『そうだな、本霊には還れない。完全には元には戻れないが、それはそれで変化していける』
あのお嬢さんが来てから驚くことばかりだなと、優しい表情で笑った。
『驚異的な浄化能力はなくても、鎮める力はある。急ぐことないのないゆっくりとした時間がいずれ、君にも影響しているさ』
僕の頭を撫でながら、どこか思い出すように見ている。
刀装兵達がにこにこして鶴丸さんを撫で付けるようにしていた。
15/7/20
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