trick…
「ハッピーハロウィーン!」
とかなんとか言いながら、本城が追いかけてくるのをいつも通り全速力で撒きながら、俺は「今日の夕飯どうするかな」とぼんやり考えていた。
「詠斗さん、trick…」
「言わせないからな!」
品行方正な俺は学校にお菓子なんて持ってきていない。本城はそれをわかって追いかけ回してるんだ。だから、俺は、捕まるわけにはいかない。
まぁ、ここまで来たからもう安心…
「…手紙?」
宛名は、「本城 陸」。
…嫌な予感しかしないけど、とりあえず開けてみるか。
「Trick yet Treat?」
なんだこれ、英文まちが、
「…」
今日は絶対、家から出ない。そうだ絶対その方がいい。ないない。ありえない。買い物行こうと思ってたけどそんなものはとりやめだ!
『お菓子いらないから、いたずらさせて!』
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