04



止まらなかった。というより、止まれなかった。そのうちキスだけでは抑えられなくなる。呼吸すら忘れ、息が荒くなる。その声でリヴは戸惑うことなくあるがままの想いを口にした。

「抱いてもいいよ、ディストなら」

リヴの寝室に、重なる影。彼の触れる指先に快感を覚えてしまう。リヴの歪ませた顔を月明かりは映し出し、ディストはその動きを止める。

「リヴ、もしかして貴女」

続く言葉をリヴは制する。

「それって本当に関係ある?私は貴方に抱かれたいだけ。貴方は私を抱いくれさえすればいいの」

それは冷たく非情だ。しかし実際リヴは苦笑し、申し訳なさそうに優しく呟いていた。

「初めてなら、尚更ディストがいい」

オブラートに包むこともせず、恥ずかしげもなく微笑んだ。その顔の赤みは酒の咎か、それとも。もしかしたら、自制心がなくなるまで飲んだアルコール故の発言かもしれない。ただ快楽に溺れたいのと、初めてであるからこその好奇心に胸踊らせているだけなのかもしれない。

最低だ。そう考えるとディストでなくてもよかったのかもしれない。

リヴの頭に巡る冷静な見解。

しかし今この刹那、
求めている相手は確かに彼で。

それは事実。

「リヴ」

囁く声と絡ませた指。ゆっくりとその行為は続く。ディストは慈しむように、壊れ物を扱うように、優しく。雪の街と同じく白い肌と肌が触れ合う度、溶けていく。冷えきった体温を添付するように重なるなか、徐々に上がる熱に頭がくらくらした。



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