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確かな愛を感じた刹那、その愛を閉ざす。感じる虚空に手が震えた。なぜその想いに触れることを極端に畏れていたんだろう。噛み合うはずの歯車は知らず知らずに錆びれてもう廻ることすらできなくなった。

いつからか。目を追うのが貴方の姿だということ、とっくの昔に気づいていたのに。

花嫁衣装の純白は、きっと死に装束に違いない。この世と決別する為の覚悟の色。貴方を忘れる為に空っぽになった私のよう。


「…ジェイド、愛してる」


伝える相手がいないからこそ口に出せた言葉。だから余計空しく響いた。





「ユノ様! お探しいたしました、こちらにおいででしたか」

介添えの女が乱れた息を整えつつ入ってきた。


―…お時間です。お急ぎ下さい


まるで余命でも宣告されたかのよう。切り取られた心をどこに置いていこうかと、困ったように嗤った。

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