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十人十色の告白模様(カワ→ブン) [ 135/196 ]
私の上司はSだ。
それはもう、ドS。
いつも笑ってるのが不気味だ。だって何を考えてるかわからないからだ。たとえ腹綿が煮え繰り返りそうな怒りを持っていたとしても、彼は笑っているだろうから。
で、私は考えた。
「……嫌われてる、絶対」
少なくとも好かれてはいないだろう。何せ私には好かれる要素も何もない。
満足にドリームコレットを奪うこともできないし、プリキュアの戦力を減らすこともできていない。いや、私のせいではない。部下は役立たずだし、あいつらが強すぎるのだ。
だいたいこっちが向かう時はコワイナーも含めてたった2人だっていうのに向こうは何人いると思っているんだ。5人だぞ、5人。それならこちらも5人で行ったっていいじゃないか。NO!ナイトメア5とかさあ。
「好きですよ――あなたのいれるお茶よりは」
「うわっ…!カワリーノさん…い…いつからそこに……い、今お茶いれますんで」
いつものようにお茶をいれにいこうと思った瞬間、気がついた。
「え……私のお茶ってそんなにまずいですか?」
「あなたの方が好きと思えるくらいの味ですよ」
え…どうしよう。そんなにまずいんだ。
「まあ、もっと美味しくいれられるようになってください」
「……珍しく落ち込んでましたね」
(あなたは知ってるんですかね)
(私の1番好きな飲み物が、あなたがいれたお茶だってことを)
‐END‐
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