乙女は街へ買い物に | ナノ
手作りコーナーに行こう!


  ココアパウダーとサバランと、デコレーション用のあれこれ何でも揃って全員が『いらっしゃいませ私を買って!』と声高らかに謳っている。ピンクとブラウンのパッケージを手に取ってなまえはううん、と小さく喉を鳴らすのである。

「御機嫌よう恋する乙女ちゃん。……悩み事かい?」
「わ、サッチさんっ。」
「やぁ。男がこんなコーナーにいてビックリした?」
「いえいえ、最近は男の方もチョコを贈るパターンも多いって聞きましたし、それにサッチさんはコックさんですもの。」
「ご明察!仲間内に大食いがいてね、駄々こねられたんだ…これも出会ったご縁、なまえちゃんにはコックの端くれとして『とっておき』の隠し味を教えてあげよう!」

  ポンパドールに背景のピンクがよく映えている。ウィンクをぱちん!と決めたコックさんはワザとらしく小声でそっと耳打ちをしたのであった。


選択肢

『ブランデーをひと垂らし、それと大匙山盛りの愛情だよ!』

『フランボワーズの酸味がいい。…刺激的なのもオススメさ。』
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