小ネタ | ナノ


MEMO 

灰羽リエーフ(HQ)
「先輩!先輩って黒尾さんと仲いいですよね!」
「仲いい…まあ、同じクラスだし委員会だしね」
「黒尾さん羨ましー!俺も先輩と同じ委員会になりたいです!」
「委員会はなれるけど…違うもんね。灰羽くんの言ってる意味も」
「そうなんですよ!来年は先輩もういないし、何で俺、今年入学だったんでしょう?」
「うーん、何でかなー…」
「リエーフ!馬鹿言ってないでとっとと練習戻れ!」
「うぇっ、あ、スンマセン黒尾さん!――ハッ!俺もブロック上手くなれば先輩に好きになってもらえますかっ!?」
「ん?んー…」
「リエーフ!!」


20150305 
東堂尽八(ペダル)
「東堂くんって何でカチューシャしてるの?」
「部活中は汗をかくからな。これをしていると前髪が邪魔にならずにすむ」
「へえ…でも、それなら部活のときだけでいいんじゃない?」
「いやな?これがまた想像以上に似合ったわけだよ!そうなると日頃から身に付けていても問題ないどころかそうすべきだろう?」
「ああ…何時から?」
「中学時代に誘われて出た大会で、崩れた髪を直すのにどうだと当時の箱学自転車競技部のマネージャーに渡されたんだ」
「そうなんだ。マネージャー…」
「?どうした?」


それって、どんな人。


20150215 
及川徹(HQ)
「君はイケメンにいい思い出がないとか騙されたとかいうけどさ」


鼻をすする音がした。
じっとりとした半目で俺を見る表情は可愛いようなよくないような、不思議な感じだ。


「それはたまたま、君が付き合ったイケメンがダメ男だっただけでしょ?全員がヤな奴ってわけじゃないじゃん?」
「そうだけど…」
「強情。よしっ、じゃあ及川さんがその嫌な思い出ごと塗り替えてあげよう!」
「は?」
「浮気もしないしほったらかしにしないし多少の我が儘――まあ部活が忙しいから構い倒すのは無理だけど。俺も甘えたりはしたいし?」
「…つまり?」
「付き合っちゃおう、俺と。いや、付き合ってください」


イケメン全員が最低とか、俺も同じ分類にされたくないしね。

だって俺はこんなにも、君を大事にしたいって思うんだから。


20150213 
宗像市竜(断マリ)
フェンシング部の部長であり、エクソシストという悪魔を祓うための勉学、だろうか。まあとにかく、それに励んでいる宗像市竜という人。
孤児院の子供たちと遊んでいる姿はまるで兄や父親のようで、校内で見かけるムスッとした表情からは想像の出来ないものだ。どうやら彼は、子供が好きらしい。


(――あれ?)


聖バルビナ内でも異端と扱われがちの人。教会があって神父もシスターもいるのに不思議だ。確かに悪魔を祓う、と言われてもピンと来ないんだけど。


(…女の子?誰だろう、見たことない)


綺麗な金髪だ。日和、だったかな。あの人も金髪だけど、宗像くんを追いかける度に靡くそれは目を引く。それに、あんな制服は見たことがない。ふわふわとしていて、絵本に出てくる子みたいだ。

ふと、宗像くんが足を止めて振り返った。そういえば宗像くんも髪が長い。女の子はさっきよりも歩調を上げて、宗像くんに近づいていく。


「あ」


思わず、声が漏れてしまった。

宗像くんは孤児院の子供たちには柔らかい顔を見せる。それ以外は結構仏頂面で、なのに。


(あの子は、違うんだ)


子供たちとも違う柔らかさ。女の子も嬉しそうに見えるのは、勘違いかな。



20150204
要所要所でいいとこを持っていく宗像と宗像さん!なマリアに、もう宗マリでいいんじゃないかなと思いました。日和ルートなのに(笑) 
及川徹(HQ)
「いや、急に降ってきたよねー。今日は晴れだって言ってたのに。確かにさ、最近は雨多かったけど」


思わずハンカチを絞っていた手を止め、軒下に入ってきた男の人を見る。同じ学校の制服、それに聞き覚えのある声。この知っているようないないような人も雨にやられたらしい。

例えばお年寄りに急に声を掛けられることはあるけれど、なかなかこう、歳の近い人にはない。人懐っこいのか緊張は少しも見えなくて、ぎこちない笑みを浮かべるだけでは失礼な気がしてしまう。


「あ、はい。そうですね」
「………」

取り敢えず、知らない路線で。無難に敬語で返すと男子生徒の表情が不機嫌そうに歪む。あれ、敬語嫌いな人なのかな。それにしてもやっぱり、見覚えがあるような。

「ちょっと、気付いてないわけ?」
「え?」
「俺ですー、及川さん!」
「…えっ!?及川くん、ああっ!及川くんだ!だね、雨。急でびっくり」
「もー。このイケメンがわかんないとか嘘でしょ」


言って少し、唇を尖らせる。この雨は普段はしっかりセットされている及川くんの髪を崩してしまったらしい。ぺたりとした姿は新鮮そのもの、だというのに正体がわかると顔も声も及川くん以外には見えないのだから不思議である。


「ショックなんだけど。雨宿りラッキーって思ったのにさあ」
「ごめんなさい。…あれ?私悪いの?これ」
「悪いですー。ほら、傷心の及川さんを慰めてよ」
「慰めるって具体的に、」
「頭撫でてみて。あんまされたことないから興味あるんだよね〜」
「ええ……わっ、わかったよ!その顔怖い…」
「女の子に怖い顔はしませーん」


じゃあ誰にならするんだろう。思うだけで口にはせず、屈んだ及川くんの頭に手を伸ばす。

制服もだけど頭もずぶ濡れだ。寒いしずっとここにいたら風邪を引きそうだけど、雨は止まない。及川くんが倒れたら大変なんじゃないかな。バレー部のキャプテンだし、柱なんだし。


「………」
「………」
「………」
「…及川くん、喋って」
「いや…からかうつもりだったんだけど、何か思ってたより恥ずかしくない?これ」


背筋を伸ばして視線は斜め上。ただでさえ恥ずかしかったのに、及川くんの言葉と反応、それから掴んで下ろされた手が余計に恥ずかしくて。

及川くんは気付いているんだろうか。ああ、及川くんってわからない。


20140915 
黒尾鉄朗(HQ)
「私さ、ラーメンとか焼肉一緒に食べに行ける人と付き合いたい」
「は?なんだそれ」
「引かない人?そういうのもいいよって言ってくれる人…っていうの?」
「高校生に焼肉はハードル高いだろ、金がさ」
「そこなんだよね!」
「焼肉いいけどなー。あ、定食も。俺は大歓迎」
「え、本当?」
「何でそんなに嬉しそうなわけ」


20140914 
黒尾鉄朗(HQ)
「ほい」
「……」
「おーい。溶けるんですけどー」
「…いいです、いらない」


言うと黒尾は目を丸くする。どうやらこれから部活らしいが、部活前にアイス食べるのか。というかアイス食べるために暑い中はやく出たんだろうか。夏休み前に見せてもらったスケジュールだとまだ1時間以上はあるような気がする。


「頭使うんだろ?これから」
「まあ、うん。でも気持ちだけ」
「何で?」
「……ダイエット。来週プール行くから」
「一週間でどうにかなるもんかね」


ひらひらと黒尾がアイスを振る。袋の中で溶けかかってるだろうアイス、黒尾が食べているのはまだ半分ある。食べ終わった頃には溶けてジュース状態に違いない。なんて勿体ないんだろう。


「…水着きるじゃん。気になるじゃん」
「そんな太ってるか?普通じゃね?」
「黒尾と私の基準は違うし」
「意識しすぎなんだよ、そこそこ肉付きいい方が色っぽくね?グラビアとか」
「黒尾はそうかもだけど、」
「お前だったらいいけどなあ、何でも。ま、流石に痩せすぎ太りすぎは何とかさせるけども」
「……そんなことを言ったってアイスは、」
「もらってくれないと主将が部活遅刻しちゃう」
「………プール…」
「可愛い水着姿の写メよろしく。自慢すっから」
「…………ありがとうございます」


受け取ったアイスは、まだ半分くらいは形を保っていた。


20140818 
黒尾鉄朗(HQ)
「くっ、黒尾くん!!」
「はい」
「話があります!」
「どーぞ?」
「………」
「………」
「えっと…」
「………」
「…クロって、呼んでもいい?」
「はいっ?」
「孤爪くんが呼んでるでしょ?なんか羨ましいな〜って、折角こう、だから今までの黒尾くんじゃなくてもっと別の呼び方をしたいなと思っててね?だから、クロって…」
「つまり、特別感がほしいって?」
「………うん…」
「…まー、いいけど」
「本当っ!?ありがとう、すごく嬉しいっ!!」
「いえいえー」


だったら名前でよくね?


20140811 
金城真護(ペダル)
「…はいっ!」

そう言ってハンカチを勢いよく引くと金城くんの手元には可愛い花が咲いていた。手を少しだけ私の方へ。くれる、ということだろうか。

「すごいね金城くん!全然わからなかった!」
「練習をしているからな。たまに、後輩にも見せてやるんだ」
「眼鏡の子とか喜びそう。素直そうな顔してるし」
「それは確かに」
「…花、ありがとう」
「いいや」


どうしたの、とテンションの上がった妹が浮かぶ。
こんな嬉しい贈り物を置いて行くなんてありえないけど、さてどうやって部屋まで運ぼうか。鞄に入れて萎れたら嫌だし、ブレザーで隠すのも難しいだろうか。いっそ堂々と、うん、したらしたで気持ち良さそう。


「金城くんって器用だよね。手品とか裁縫とか、私は適当にやっちゃうからなあ」
「まあ趣味だ。不思議と、趣味であれば嫌にもならないだろう?」
「確かに。いつ頃から?」
「小学校のお別れ会でやって、それからだな。すっかりはまってしまった」
「へえ…」


金城くんがはまってって言った。新鮮かも。すごく落ち着いてるから、難しい言葉を使いそうだと勝手に思ってたんだよね。

それにしても、小学生の金城くん、か。


「……アルバム見たい」
「オレのか?見てもそう面白くないと思うぞ?」
「面白いって言ったら見せてくれるの!?」
「ああ。別に変なものでもないしな」


ランドセルを背負った金城くん、今より小さな金城くん。手品に目覚めた瞬間とか、どんな顔をしていたんだろう。


20140807 
黒尾鉄朗(HQ)
「お、何やってんの?」
「マニキュアー」
「へー、すんだ、そういうの」
「や。しないんだけど、買い物いったら綺麗な色のあって」
「ほー」
「黒尾部活でしょ?いってらっしゃーい」
「おー、いってきまーす………あ」
「ん?」
「手ェかせ手」
「お?お?」
「マニキュアも」
「はい」
「失礼しまーす」
「…………おお…」
「出来ましたわよ。ん〜、綺麗」
「なにそれ、出来ましたわよって」
「なんか店員っぽくね?」
「ぽい?……ぽいぃ?」
「似合うな、いい色。それで今度デートするか、あ、試合応援に来て?」
「マジか」
「その前にまた塗ってやるから」
「塗りたいから、の間違いじゃない?」
「あらバレた。手も触れて楽しいのにー」
「………繋いでもいいからいってらっしゃーい」
「……いってきまーす。頑張りまーす」


20140803 






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