小ネタ | ナノ


MEMO 

影山飛雄(HQ)
「出来ました」
「はい。…えーっと…」
「………」
「…影山くん、この答えはどうやったら出てきたの?」
「え?…ここの5と3を引いて…」
「途中まではいるのにyはどこに消えちゃった?」
「x出せって書いてあるんで、邪魔っスよね?」
「まあ邪魔、なんだけど…強引に消すんじゃなくてね、まずはxかyの数字を揃えて――…」
「………」
「あ、大丈夫?えーっと、あ。どこからわからない?」
「もう全部。………先輩」
「全部…ん?」
「先輩の字、見やすいっスね。見やすいっつか、キレイ?何か好きっス、先輩が字書いてるの。字もですけど」
「…………」
「…で、xとyってどうやって揃えんですか?5と3って違う数字ですよね?」
「…影山くんって怖いわ…」
「えっ!?…っと、すんません。気をつけます、えと何時、今っスか?問題さっぱりで…」


20140713
影山は後輩にしたい 
影山飛雄(HQ)
まるで挑むような空気を纏って目の前に立つ後輩。
避けて行こうかと体を動かすと、影山くんも同じ方向に体を動かす。影山くんは私よりもずっと背が高いから、見下ろされるとなかなか迫力があるのだ。


「………」
「……影山くん?」
「………っ、と、」
「……お、おはよう、影山くん」
「っ!あ、っス!おはようございます!」
「う、うん?」
「あの、放課後!部活よろしくお願いします!」
「うん、よろしく…?」
「じゃ、失礼しますっ!」

勢いよく頭を下げて踵を返す。見えた影山くんの目が輝いていた気がしたんだけど、というか、よろしくってなんだ。影山くんは静かそうな雰囲気に反して意外と素直で単純だから、この行動にも深い意味はないんだろう。私も素直に受け止める、素直に。


「おはよう」
「あ、おはようございます、潔子さん」
「………」
「…影山くん、どうしたんでしょうね?」
「挨拶、したかったんじゃない?」
「……挨拶、ですか」


潔子さんと二人で見詰めるのは影山くんが向かった方向。そういえば「おはよう」のあとの影山くんからは、挑むような雰囲気は消えていた。


20140711 
黒尾鉄朗(HQ)
「起立!」
「え、何?」
「立って掃除用具入れの前まで歩く!」
「え?え?黒尾さん?」
「じっとしてろー」


言うなり少し表情を引き締めて、それに一瞬心を持って行かれていると間近に癖のあるにやけ面が現れた。いや、現れたはおかしいか。黒尾は目の前に立ってたし。

突然の奇行に私もびっくりしたけどクラスの人もびっくりしたらしい。「黒尾へんたーい」なんて笑いの混じった男子の声もする。


「………はい?」
「や、CMでこういうの女子が好きだと」
「これ?え?」
「壁ドン」
「………」
「俺という現実はどんなもんかって実験?」
「…いみ、わかんない」
「思い出したら麺食いたくなってきたな。帰りコンビニ寄るか」
「えっ!?余韻とかなし!?」
「えっ?ほしい?」
「いらんっ!!」
「素直に素直にィ〜」
「ぐっ……へっ、変態!」
「年相応の好奇心〜」


どうすんだこの空気!!


20140707
なんなのあいつら…ってなる 
黒尾鉄朗(HQ)
「おう、帰り?」
「黒尾部活は?」
「やってる。今ちょっと休憩」
「…何で体育館じゃないの?」
「靴箱チェック?」
「え?何で?ラブレター探し?」
「マジ?まさかお前が回収済み?」
「しないし。平和だよ」
「何だ平和って。ま、来たら確認する手間省けたけどな」
「は?」
「あと1時間は練習あんだけど、どう?待ってる?」
「え?」
「一緒にかえりまショー、研磨も一緒だけど」
「……距離開けられそう」
「帰る?」
「…や、待ってる」
「りょーかい」
「ニヤニヤむかつく」
「悔しそうな顔もかわいーねー」
「さっさと戻れ!!」
「へいへい。教室いる?」
「んー、…体育館行くかも」
「……了解」


20140707 
黒尾鉄朗(HQ)
「へいへ〜い」
「なに?」
「これ預かっといてあと着てなさい」
「は?え?ジャージ?」
「いいからいいから。はいっ!」
「はっ、はい!」



(……何で慌てたんだろ…というか着たんだろう)
「ぶっ、ははっ!やっぱデケーな。すごっ!」
「何がしたいのさ、黒尾」
「蚊に噛まれて痒い痒い唸ってたろ?ちょっとはマシになりますよーにって、気遣い?」
「気遣い?暑いよ。しかもそれ家だし。持って帰れと?」
「何だっけこういうの。あ、萌え袖?クラスの奴が言ってたな」
「はい?」
「彼シャツ」
「彼じゃないし!ジャージだし!!」
「照れんなって。いい彼氏って保証するよ?」
「誰が!」
「俺が」
「いらない!」
「うひゃひゃっ、真っ赤だ説得力ねー」


20140707
しかし奴らは服の上からでも容赦ない。 
黒尾鉄朗(HQ)
ずぼらをするべきではなかった。でも教室から準備室までは距離もあるし、そのあと職員室となると昼ご飯が遅くなる。お腹減ったからはやく食べたいし。


「大荷物」
「っ、あ、黒尾くん」
「ノート持って三角定規に分度器コンパスって、重装備な」
「先生、急な呼出し入っちゃって。いちいち教室戻るのも面倒だなーって思ったら、つい」
「まあ昼飯食いたいもんなあ。休みたいし」
「うん。……ノート…」
「持つ持つ」
「……」
「どうしました〜?」
「……好きになるぞ」
「どーぞどーぞ」
「……」


どこまで本気。


20140704 
影山飛雄(HQ)
「誰かに用っスか?」
「うわっ!?あーびっくりした!影山くんかあ!」
「っス。つかこっちも驚きました」
「あ、ごめん」
「何かあんなら呼んできますけど。覗きじゃないっスか」
「え?や、大丈夫大丈夫。帰るから」
「田中さんしかいないっスけど」
「………」
「……田中さん?」
「いやっ!…えーっと、…田中にはもう美しい女神様がいるからね!あ、いや!別に何ってこともないんだけど――あははっ、ほら練習!練習頑張ってね、影山くん!」
「俺」
「ん?」
「じゅーぶんキレイだと思います。じゃ、お疲れ様です」




「え?」


私のこと?


20140704 
黒尾鉄朗(HQ)
「私ねー、最近さんま焼いてるの」
「へえ、塩焼き?」
「塩焼き」
「マジか。いいな、食いてぇ」
「誰もが唸るような焼具合をね、目指してて。でも親に飽きたって言われて」
「だったら俺が食うから持ってこいよ」
「学校に持ってきたらにおいがさ、問題じゃん」
「あー、まあそうか。教室中さんまはまずいか」
「………」
「………」
「うち来る?」
「は?やー、それはあれだろ、さすがに」
「…別にいいのに」
「それやめろ。調子乗るぞお前」
「乗れよ」


そういって乗らないじゃん、ちっとも。


20140704 
影山と及川(HQ)
「飛雄さあ」
「はい」
「お前にはバレーがあるじゃん。てか、バレーがあれば生きてられんでしょ?」
「はあ」
「…じゃあいいじゃん」
「…何がっスか?」
「うちのマネージャー、いらないじゃん。バレー関係ないし」


何、そのわかんないって顔。やっぱチョームカつく、こいつ。


20140704 
石垣光太郎(ペダル)
「や、嘘みたいな話やんなあ」
「そっ、そうですか?」
「御堂筋の幼馴染みやろ?あいつにも幼馴染み呼べる相手おったんやな、びっくりや」
「仲良ぉしてたか言うたら違う気ぃもしますけど、何や小学校からクラスずっと一緒で。そんでちょいちょいは話すーくらいの間柄です」
「そんでも普通に忘れ物やー言われて受けとっとるし、挨拶したり自転車以外の話もすんねやろ?上等や思うで」
「…でも、石垣先輩かて」
「オレはあんま話聞いてもらえんからなあ。難しい後輩やで、あいつは」
「でも、でもですね!私、石垣先輩が御堂筋くんに話し掛けたり無視せんの、すごいと思うし素敵や思うんです!だって怖いやないですか、御堂筋くん。極力関わらんようにて考えません?ですからあれ、嬉しいと言うかよかった言うか…まあ、御堂筋くんはどうも思てへんおもうんですけど…」
「ははっ。気にかけてくれてんねやな、あいつのこと。ありがたいわ」
「あ、いえそんな…」
「しっかし」
「はい?」
「付き合いなごぉても御堂筋くんか」
「………ちょっと話すようになった頃、翔くん呼んだらギョロっとした目で見られて。トラウマなんです、そんで」
「………成る程なあ」


照れたんと違うかなあ。
笑って言う石垣先輩には、怖いものなんてないんやろか!


20140526 






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