プレゼントは俺なんてどこの漫画?

クリスマスイヴ。
というかまだ日没じゃないから正確には違うが、今日は世間でそう言われる12月24日だ。
この霧崎第一高校のバスケ部員である奴等も浮かれているのかいつに増して騒がしい。

「なーなー花宮ー!クリスマス」
「パーティなんてやらねぇよ」
「えぇええ」

なんだよノリ悪いなと言う原。
うるせぇなテメェはさっさと前髪切れよ

「花宮いるかー?」
「?」

先輩に呼び出された為に「はいっ、何でしょう?」と愛想良く返事をする。
後ろから「おっ、猫被りモードオン!」とかいう声が聞こえた。
原テメェ後で覚えとけよ。
振り返りチッと舌打ちをする。

「やっべぇ花宮怒らせた」
「原てめっふざけんなよ!!
俺らにも八つ当たりしてくるんだからよ!」
「あはっメンゴメンゴ」



「先輩、何ですか?」

早くしろよめんどくせぇな、そんなオーラをまとわせる。
俺より実力が下であっても、仮にも先輩だ。
良い顔しなければ。

「ん?あぁ、何かお前に用があるって奴がいてさ」
「……?」

取り敢えず校門にいるから行って来いよ、と肩を叩かれる。いってぇな慰謝料請求すっぞクソが。
はあ、と息を吐いて校門へと足を進める。

近付くと相手の学生服が霧崎第一の物では無いと言う事が分かった。

めんどくせぇ。わざわざ他校生が何の用だ?…まさかバスケについて何か言いに来たのか?

その時はどうしてやろうか、そう思って口角が上がった。

ソイツの姿が分かるまでは。


げ、と声を洩らしその場に立ち尽くす。
その声に気付いたソイツが俺を見た。

「!やっと来たか、花宮ー!!」
「な、」

手を振りながら近寄ってくる。
は、ふざけんな。そう思ってUターンしようとした…が、がっしりと腕を掴まれた。

「いっ…てぇな!放せ!」
「放さないぞ!せっかく誠凛からわざわざここまで来たんだからな!」
「いやだから、何で誠凛のお前がここまで来たんだよ、

   木吉!」

名前を呼ぶと馬鹿みたいな面して笑った。いいから用を言えと言うと「そうだったな」と言いながら腕を放した。

(この間に逃げちまおうか…)
「それで、用事なんだがな!

メリークリスマス花宮!」
「……は?」

ばっと目の前に差し出された物に目が行く。緑色にラッピングされ、赤いリボンがかけられたプレゼント箱。見事なまでのクリスマスカラー。

意図が分からずきょとんとその箱を見つめていると相変わらず木吉がニコニコしながらその箱を俺に押し付けた。

「は?何だよこれ」
「プレゼントに決まってるじゃないか!今日はクリスマスだろ?」
「いや、だからって」

何で俺に、と言うと木吉は目を見開いた後薄く笑った。

 

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