星よりも輝くそれは


全ての寮生が、今日のクリスマスを満喫している。
クリスマス休暇で各々家に帰る者もいた。

そしてボク達のように、学校に残る者も。

「皆楽しそうだな」
「ね。」

二人で外を眺める。ただそれだけのことなのに、今日だけは何故か特別に思えた。

「……寒いね」
「…あぁ」

そっとグリーンヒルに寄れば少し微笑んでくれる。

「雪、降るのかな…」
「…降って欲しいのか?」
「微妙。寒いからそんなには嬉しくないけど、やっぱりクリスマスだし降って欲しい、みたいな」
「あぁ…それは分かる」

くすりと二人で笑う。

かたりと窓を開けて手を差し出してもやはり雪は手に降らない。
ただひたすらに手が冷やされていく感覚だけで。

「バイオレット、寒いんだろう?
窓から手を出すのは、」
「大丈夫」

何が大丈夫なのか分からないといった顔でボクを見る。大丈夫だよ、だって

「だって冷えたらグリーンヒルが暖めてくれるでしょ?」
「……あぁ、勿論」

少し照れ臭そうにそう言った。
…何か、そう言ってくれると嬉しいけど恥ずかしいな。

「…なあ、バイオレット。

手を、貸してくれないか?」
「…?はい」

そっと右手を差し出すとそっちじゃない、と言われる。

「左手…?」
「あぁ。
…、外に手を出すからこんなに冷たくなっているだろう」

そっと手を握られて顔が熱くなる。
何か今日のグリーンヒル、積極的だね。

「ぐ、グリーンヒル、」
「バイオレット」
「え、何?」

もう一度ぎゅっと手を握られる。
グリーンヒルと目を合わせると少し赤くなった顔で、でもいつになく真剣だった。

「…あまり高価な物は買えなかったが、これを」
「え、」
「……急で困るだろうが言わせてくれ。

俺はバイオレットを愛している。本当だ。

だから───……この学校を卒業したらいつか、二人でどこか遠くへ行って

結婚してくれないか?”」

その言葉を聞いた瞬間、様々な物が溢れ出してきて、一度馬鹿と言ってからグリーンヒルに抱き着いた。

「ほんと、急なんだから…っ」
「すまない」
「……そんなの勿論決まってるでしょ」

そう言ってグリーンヒルにキスをする。

外にはいつの間にか雪が降っていた。




(ボクの薬指で輝く指輪が)
(これは夢ではないと告げた)



あとがき\(^o^)/→

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