バスの中で私は騒いでいた。

『眠い、帰りたい』


「五月蝿いよ静かにしてらんないの?」
なんで私が幸村の隣なんだろ、柳の隣がよかったな。


『だって眠いんだもん』
眠いのは当たり前だ昨日夜遅くまで『猛●使いと王●様』をやってたからだ。

ああいうのって長いからね!


「ハァ、仕方ないな着くまで寝てていいよ」
なんなの妙に優しいなこいつ。
まっ、まさかなにか企んでんじゃなかろうな?


「フフフッ、なんも企んでないから」
勝手に人の心を読みやがって!


『はいはい、そうですか。じゃあ、私は寝るから』
っと言って深い眠りについた。


―――――


「璃琥起きて」
と誰かが私の事を起こしてるみたいだが、そんなのお構いなし。
だってまだ眠いもん。


『…後、五分だけ…』


「フフフッ、今すぐ起きないと…犯すよ」
私は幸村が耳元で小さく囁いた言葉を聞いて起きた。


『…ここどこなの?幸村』
まだ眠い目を擦って目を覚まさせようとしたが、眠くってたまんない。


「氷帝に着いたんだよ」
よく見れば私と幸村以外はみんないなかった。

『そうなんだ』


「ほら立ってさっさと行くよ!手だして。お前眠たそうだから危ないし」
っと言って幸村は私に手を差し出した。


『う、うんっ』
私はその手を握った。
幸村の手は暖かくて私より大きかった。




歩いて十分やっとテニスコートを見付けた


氷帝、私と幸村以外の立海メンバーは練習の準備をしていた。

「おっ、あいつらやっと来たぜ」
と丸井が真田に言ってるのが見えた。



「白石直ぐに起きないとはたるんでる証拠だぞ!」
私のどこがたるんでるんだよ!


『煩いな、そんなんだからオッサン呼ばわりされるんだよ!』
私はもろ思ってる事を言ってやった。ざーまーみろ!


「ひーちゃん!久しぶり」
真田たちから離れた途端に誰かに抱きつかれた。


「璃琥久しぶりやな!」
その隣にゆーしがいて私に声をかけてきた。つか、せ、背中がゾワゾワする。きっとこれは拒否反応だ!


『さゆりん。久しぶり。そしてゆーしはどっか行け!』
さゆりんこと新妻沙由利(ニイヅマサユリ)はモデル仲間でありよき親友。



「嬢ちゃん冷たいなぁ」
お前のその目線が気持ち悪いからに決まってるだろ!


『ねぇ、さゆりん。仕事の時以外はひーちゃんじゃなくって璃琥でいいって言ったじゃん』
ゆーしの事は居なかったことにしといてさゆりんに話した。


「あれ、そんなこと言ってたっけ?」
さゆりんが首を傾げて私に聞いてきたんで忘れてる事がすぐわかった。


『まあ、あんたのことだから忘れてるんだと思う。とにかく仕事の時以外は、璃琥って呼びなさいよ!』



「ねぇ、璃琥その子とは友達なの?」
幸村がやってきて私に尋ねた。

『そうよ、私の…親友の中で一番まともな子だから…大切なの…』
なんか恥ずかしいなだって本人の前で親友とか大切って言っちゃたんだもん。


「へぇー、それはよかったね。なんか安心した気分』
と言って幸村は私の頭を撫でた。


『触んなよ!バカッ』


「ハハハッ、璃琥がそんなこと言うとは意外だよ。だって璃琥って強気で正直じゃないんだもん」
とさゆりんが腹を抱えて笑っていた。
そんなに意外なのかな?


『うっ、五月蝿いな別にいいだろ!』


「でも、俺お前のそういうとこ好きだよ。からかうと面白いし」
一言余計だ。


『私はお前のオモチャかよ!』

「あれ、そうじゃなかったけ?」

お前のオモチャになった覚えもないし。
でも、流石大魔王って感じだな。


『なった覚えもないから。それとさっさと練習しなさいよ!』私は真田達の方を指差していった。

真田達はもう練習を始めていた。



「(この二人ってなんか怪しいな。お互い好きなのに言えないって感じかな?………面白くなりそうだし理央に報告しよ!)」


まあ、そんなこんなで練習は終わった。

途中でゆーしの奴が色々とちょっかいを出してきたので木刀で打ちのめしてやった。


帰る準備をしていたら幸村が声をかけてきた。
なんか知んないけど人と会う約束があるんだってさ、私も関係があるらしいから一緒に行ってやった。


そんで、ここは某ファミレス。

『人いつになったら来るの?』

「もうすぐだって」


『そう』


「……あっ、来たみたい」


「いや、遅くなってしまってすまない」
どうやら幸村が会おうとしていた人物は私の父だった。


『本当だよ。クソジジィ…』
ボソッと呟いたが多分聞こえているだろう。


「いえ、こちらこそお忙しい中急に呼び出してすいません」
あっ、幸村がクソジジィに頭下げてる。
珍しいな。写メ撮りたいけど撮ったらなんか恐いな。



「いやいや、大丈夫さほとんど暇だから…今日は二人とも遠慮なくガンガン頼んでくれ」
おいっ、今こいつ爆発発言したゼ!
まあ、それはいいとしてガンガン頼んでくれって言ったから高いもん頼んでやろ!


『幸村遠慮なんかいらないからガンガン頼んでやれ!』


「精市君もう、うちの子みたいなもんだし遠慮しなくっていいから」
幸村ってクソジジィにかなり気に入られてるんだな。



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