パーカーを着た一人の女子高生は、地平線を眺めていた。白と黒の牧草ロールが転がり始めた牧草地は青く染まり、眼前に一直線に広がる枝を吹き飛ばす松林は淡い色の葉をつけていた。
「なまえ、もう出ないと、苫小牧まで遠いんだから」
「うん、お母さん。すぐ行くよ」
 六月といえども朝は冷え込んでいる。涼やかな風吹く広大な大地に育てられた彼女は、風を切り、道をかけた。



 みょうじなまえが親の転勤についていくことにしたのは、東京という町に対する期待もあった。なまえは高校を気に入っていたし、その土地での生活を満喫していた。別に、その地で生まれてその地で死ぬことになんの不満もなかった。ただ、彼女の好奇心は旺盛だった。
 彼女が音駒高校を選んだ理由は簡単だった。満員になった車両には乗りたくはなかった。また、運のいいことに家の近くに高校があり、バケモノのように難しい編入試験を化していなかったため、その高校の編入試験を受験した。それが音駒高校だった。三年の六月などという中途半端な時期に編入をした彼女は、一番後ろの窓側から二つ目というそこそこ良い席につくことができた。隣の特等席、つまり窓側の一番後ろの席の人間がもう少し背が低ければなおよかっただろう。梅雨という彼女の知らない季節のせいで雨が続いていたが、珍しくその日は晴れていて、強烈な日差しとともに夏服には涼しい風が吹き込んでいた。
 それでも、六月にしては真夏のように暑い。このままいくと真夏はどうなることだろう、と彼女はぼんやりと思った。彼女の知る真夏は東京の晴れた六月だった。
 ショートホームルームで紹介され、一限目までは時間があった。転校生だというのに、誰も話しかけてこないのは、きっと高校三年生だからだろう、となまえは思った。大人と子どもの境目のような年頃だ。彼女は東京という町に対しては期待だけではなくて不安もあったため、話しかけてもらうことを期待していたが、そううまくはいかないようたった。市町村の名前をそのままとった見るからに田舎の高校の名前。しかも、市町村はアイヌ語由来。彼女のにとっては馴染みのある響きだが、きっと東京の人はそうは思わない。彼女はそう解釈した。それと一緒に紹介されるのだから、不安なんてないはずがないというのに。クラスメートの誰とも面識がないのだから、視線をどこにやってよいのかもわからず、彼女は一限目の古典の教科書をパラパラとめくった。
 結局、授業が始まるまで誰も彼女に声をかけてはくれなかった。授業については、教科書や参考書の類を事前に揃えてあったから特に問題はなかった。最初の助動詞の小テストも、恥ずかしくはない点数で、小テストを交換した窓側の席の生徒には負けたが僅差だった。
 隣の席は背の高い男子高校生で、黒い髪をたてて、ただでさえ高い身長がさらに高く見えていた。彼は目つきは悪いくせにどうか愛嬌があって、かわいらしさのない野良猫のような人だと彼女は思った。
「なあ、あのさ」
 帰りのホームルームの前、そう声をかけられる。
「俺、黒尾鉄朗。よろしく」
「よろしく」
 黒尾鉄朗と名乗る彼は見た目によらず、面倒見の良さそうな声をしていた。
「黒尾君、バレー部、それともバスケ部」
 その身長だとその二択だろうと彼女は思った。バレー部とバスケ部だとバレー部の方が品が良い印象がある。目の前の男は品が良いとはとても言えないからバスケ部かなあなどと思っていた。ちなみに、彼女の通ってきた学校には、男子は陸上部と野球部とサッカー部しかなかった。バレー部もバスケ部もテレビの向こうの世界である。
「バレー部」
 黒尾鉄朗は彼女の予想を裏切った。仕方がない。彼女はバレー部もバスケ部も知らないのだから。
「みょうじさんは何か部活やっていたの」
 黒尾君は何かが喉に詰まっているかのようにどこか言いにくそうにそう尋ねる。見た目によらずコミュ障なのだろうか。
「ガッコーと家離れていたから帰宅部」
 中学までは部活をやっていたが、高校は遠くて部活をできる余裕はなかった。それよりもやるべきことも多かったし、通学に加えたそれで時間をだいぶとられた。ただ、後悔はない。
 風が流れる。
 黒尾鉄朗は少し間を置いて、ゆっくりと口を開いた。まるで最初からそれを尋ねたかったかのように、ただ、本質をつけないもどかしさを残すかのように。
「あのさ、ピアス何個開けてるの」
「え、十個だけど」
 彼女はショートカットヘアーだ。それもつい先日切ってもらったばかり、美容室を営む親戚のお姉さんにはついでにインナーカラーをレッドにしてもらったところだ。だから、ピアスなんて全て見えているのに、この男は数も数えられないのだろうかなどと、彼女はぼんやりと思った。



 朝起きたときから眠かった。寝ぼけた頭で朝食をかきこみ、何を食べたのかよくわからないままに自転車をこぐ。昨日の久しぶりの運動のせいか体は何となくだるい。なまえにそれからの記憶はない。
「起きた?」
 ぼんやりとした視界には人影があった。黒尾鉄朗。なまえに話しかけてくる人間は一人しかいない。
「もう、放課後なんですけど、病気か何かですか」
「熟睡型なんです」
 朝には弱くないから生活には支障を来さないが、なまえは起こしにかかってもそうそう簡単には起きないらしい。正月に必ず起きてこないなまえに対して、母親はよくそう溢していた。
「まあでも、寝たのは昨日夜更かししたせいかも」
 なまえの頭の中は北見のハッカ飴をなめたかのように明瞭になっていく。雲ひとつないくせに狭い青空。夜眠れるかなあなんて無駄な心配をしながら、昨日の出来事を思い出す。
「ゲームでもしていたのか?」
 昼休みもぶっ通しで放課後まで寝ていたとなると、流石に心配になるのか、となまえは思った。爆睡していた生徒を起こそうとしなかった教師についてはこの際おいておくこたにした。その纏わりつくような湿った風とは反対で、東京は実に乾いた場所らしい。
 なまえは目の前の心配半分、揶揄い半分の人間に感謝した。きっと、これが東京流のコミュニケーションの取り方なのだろう、などとぼんやりと考えながら、なまえは誤解を解くことにした。
「原チャで散歩していたら迷っちゃって。警察には追いかけられるし、東京の警察暇なの? 鼠取りとか覆面とかしていればいいのに」
 基本的に、なまえの中で警察は交通取締と遭難者の捜索しかしていない。なまえのいた北海道の交通事故死亡者は非常に多く、取り締まりも激しい。人の家一つない叢の中や、雪を掘った穴の中に警察が隠れていることはよくある。警察に良い印象のないなまえだが、交通事故死亡者に対する北海道警察の対応は間違っているとは思っていない。
「暇なわけないでしょ」
 黒尾鉄朗は動揺を隠すような半笑いを浮かべた。
「めっちゃ追いかけてきたんですけど」
 なまえにとって、警察は身近なものだった。真偽はさておき、そもそも仕事で車を使うような人間はゴールド免許ではない、というのがなまえの地元の常識だった。いつの間にか現れさらっと切符を切っていく。警察のやり方や覆面車両情報は身内で共有する。警察のお世話になることはなまえにとっては決して珍しいことではない。しかし、警察はそれほどしつこくはない。一人に執着したところで仕方がないからだ。そもそも、なまえは道路交通法上、何一つ違反をしていなかった。一時停止も制限速度も守っていた。厳しいと言われる北海道の警察でさえ、切符を切るのは時速十キロを超えてからだ。
「そりゃ高校生が夜に原チャ乗り回していたら追いかけますわ」
 黒尾鉄朗は溜息を吐いた。なまえが警察に見つかったのは自宅に近い河川敷。よく人も通る場所であり、通学路でもある。決して、繁華街などではない。
「原チャ通ないの?」
「チャリ通の間違いですか?」
 間髪いれずに返してくる黒尾鉄朗に、なるほど、となまえは思う。そもそも、東京では原付で通学する必要がないのだ。
 ちなみに黒尾鉄朗のどこかイラっとする顔は元々の顔の作りせいだということになまえの中では解釈されている。
「原チャ通、つてがないとできないからチャリ通できる音駒にしたんだけど、東京では一般的ではないんだね」
 小学校と中学校のときは自転車で通学できたが、高校は遠く、そのくせ原付の通学は禁止されていた。そのため、なまえは高校の近くの友人の家まで原付で行き、そこでそのまま停めさせてもらっていた。高校側もなまえが原付で通学していたことを知っていたが、見て見ぬふりをしていた。当然、警察も何も言わない。法律は守っているのだ。しかし、伝手のない東京で原付で通うということは難しい。
 そして、何よりもなまえが危惧していたことがあった。
「汽車乗りたくないからさ」
 しかし、そのあまりにも馴染みのないものに対して、なまえは一番馴染みのある言葉を使ってしまった。なまえのいた場所は一応鉄道は敷かれていたが、電化はされていない上、駅まで原付は必須の距離である。ただでさえ乗り慣れていないそれに対して、日本国内一二を争うと噂される難易度を誇る東京に何の準備もなく飛び込んでいくほどなまえは無謀ではない。なまえの育った場所は開拓地特有の明るさはあったが、同時に自然の厳しさを知っている。
 ちなみに、夜の河川敷を原付で走るのはなまえの中では無謀に入らない。何しろ、雪も積もっていなければ凍結もしていないのだ。
「それ、本気? 平成の子?」
 不敵な笑みの似合うはずの顔がふにゃりと崩れ、黒尾鉄朗は何とも言い難い笑みを浮かべている。本気と尋ねられた意味をなまえは少しだけ考えた。
「汽車通ってないんだっけ、東京」
「少なくとも僕の知っている路線は全て電車です」
 なまえはスマホを出すと空中写真を出した。慣れた動作で画面を上に上げて右側にずらす。空中写真でもわかりやすい格子状の新緑とそれを埋める若草色。
「うちのあたりは全部汽車だし、北海道でおそらく最速のスーパー北斗も汽車だよ」
 なまえはスーパー北斗には乗ったことがないが、札幌駅で見たことはあった。函館行きのスーパー北斗はなまえの育った場所と反対方向へ走っていく。
「煙突ついているやつ?」
 何を勘違いし始めたのか、黒尾鉄朗は信じられないものを見るかのように目を丸くした。なまえは首を傾げる。ディーゼルの列車と電車は見た目はあまり変わらない。
「蒸気機関車と勘違いしていない?」
 なまえはシマエビを食べに行った際、記念に保存されている蒸気機関車を見たことを思い出し、スマートフォンに保存されていた蒸気機関車と今現在北海道を走っている特急の写真を見せた。北海道は合理化により便数こそ減らされているが、広範囲に特急が走っている。普通じゃん、などと呑気に黒尾鉄朗はぼやいていた。
 なまえは気になっていたことを口にした。
「そういえば、黒尾君、部活は?」
「忘れていた。みょうじさんが色々ぶっ込んでくるから。俺、主将ですから、じゃあ」
 随分と長い間話をしたので、部活の子たちには悪いことをしたな、などとなまえはぼんやりと思いながら、その背中を見送った。



 みょうじなまえという人間はそもそも友人が多かった。東京の大学から招聘されるような知識人である父と、人格者の母にのびのびと育てられ、良くも悪くも人生において屈折した感情を抱かず、人に嫌われるようなことはない。
 現状、隣の席の黒尾鉄朗とは良好な関係を構築しているとなまえは思っていた。
「ねぇ、黒尾君、何でみんな話しかけてくれないのかな」
 転校から数日後の休み時間、隣の黒尾鉄朗になまえは気になっていたことを尋ねる。すると、黒尾鉄朗はいかにも面倒くさそうなをした。
「うちは中堅普通科高校ですよ。みょうじさんのような毎日ジャージのツヨツヨ田舎ヤンキーに話しかける人なんてなかなかいませんよ」
 なまえは基本的に礼式の時以外は制服を着ない。それは別に制服が嫌いなわけではなく、制服はお下がりであり、その制服をまた人に渡すことができるようにするためだ。裕福な家庭ではそれほど問題にはならないが、高校の制服というものは高価である。
 さらに、音駒高校では一年間しか着ないということで、新しく制服は買わなくてもいいことになった。しかし、前の高校の制服とは異なるためとても目立つ。結果として、前の高校のジャージを毎日着用している。それでヤンキー扱いされても困るのがなまえの本音だ。
 しかし、インナーカラーについては別の理由だった。
「東京で舐められないようにこうしてきたのに。黒髪って舐められるって言うじゃない」
「それ、似たようなこと幼馴染が言っていたわ。そっちは全体的に髪染めていたけれど」
 幼馴染いるのか、などとなまえはぼんやりと考えていた。男なのか女なのかすらわからないが、おそらく彼にとっては自然に出てくる程度には彼の中の一部になっている人間なのだろう。そうかといって、目の前の戯けた雰囲気の男からは何も感じ取れない。
「だって、絶対プリンにしそう」
「ソーデスネー。幼馴染もプリンです」
 案外自分と似ているのか、となまえは思った。それが勘違いであることに気がつくのは随分と先の話である。このときは、なまえですら、まさか目の前の男とその幼馴染と共に懐かしい故郷に旅行に行くことになるとは思いもしなかった。
「来てみたら、音駒って歩いている人の多い中標津みたいじゃない」
 なまえは生活圏内から最も近い機能性重視の町の名前を挙げる。音駒は東京でも郊外にあり、基本的には住宅地だ。高い建物もない。道幅などはなまえのよく知っている中標津よりは狭いが、高いビルなどなまえの想像する東京ではない。
「中標津ってどこよ」
 頻繁に地名を聞かれるため、なまえのスマートフォンは最初のページに地図が入っている。なまえは淡々とスマートフォンを操作する。なまえは黒尾の無知に対して一々目くじらを立てるようなことはしない。
「まあまあ都会。でも、音駒と違って空港あるよ」
「何それ、すげぇ」
 むしろ、全く縁もゆかりもなく、おそらく今後とも行くことのない場所について、バッサリと切り捨てない黒尾には好感を持っていた。そもそも、北海道民ですら、基本的に生活圏内と中核都市以外の市町村についてはかなり怪しい人が多い。実際、なまえも渡島や檜山方面の市町村はかなりあやふやである。
 空港という言葉に、目を丸くする黒尾に首を傾げつつ、なまえは空港の写真を見せた。
「これ、中標津空港」
 町の中心からのアクセスは約十分。駐車場料金も取らない優良空港である。
「音駒駅よりも小さくないですか?」
 しかし、大きさは道の駅程度しかない。
「一日四本飛んでいるし、駅の代わりだよ。お医者さんが通勤とかに使っている」
 実際に、乗り降りしている人間はお仕事の利用が多いため、荷物も少ないし、保安検査場もスムーズである。
「何その新幹線通勤みたいなノリ」
「あ、私、新幹線見たい」
 なまえは思わず口に出してしまう。なまえは本来ならばこの夏しゅうがくひょで新幹線に乗ることができるはずだったが、転校したことによって乗る機会を失ってしまった。いくらでも見れますよ、と呆れて顔の黒尾鉄朗はなまえのスマホを覗き込む。
「何この真っ直ぐな道路」
「号線と基線だよ。そして、これが格子状防風林」
 号線と基線は垂直になっており、何条や何号と数字を言えば場所がわかるようになっている。これは北海道では一般的であり、札幌の住所も東西南北の条数と丁の数さえ分かれば基本的に迷うことはない。そして、広大な牧草地と道路の中に一際目立つのは深緑の格子である。宇宙からも見える北海道遺産。
「綺麗な四角だな。植えたのか?」
「そして、逆だよ、黒尾君。元々、ここは森林地帯。格子状に森林を残して農地を作った。当然、その後植栽しているからほとんど人工林だけど、人工的なこの防風林にしか根釧大地の名残は残っていないよ」
 嘗て森林地帯だった面影はない。アイヌが守ってきた土地は蹂躙された。なまえは斜陽の文化の上に立っていた。それを感じるのは地名として未だにその文化の名残がなまえの世界に存在するからだ。
「駅は?」
「うちから一番近いのは標茶かな」
 駅を聞きたがるのは東京の人だからなのかなどと思いながら、路線の説明をする。
「鉄道は根室に向かっている花咲線と、網走に向かっている釧網線の二本。空港はここが釧路空港でこっちが中標津空港」
「これ、誰が使うの?」
「学生とかかな」
 私はほとんど乗ったことがない、となまえは続ける。黒尾鉄朗は怪訝な顔をした。その意味がなまえにはわからなかったが、それはそれとして、前々から思っていたことを口にすることにした。
「そんなわけで、バイトしたいんだけど、電車乗れないんだよね」
 そんなわけってどんなわけ、と呆れ顔で尋ねられる。黒尾鉄朗の呆れ顔というのは人を小馬鹿にしたような顔ではあるが、なまえはそれは元の顔の作りのせいだと思っていた。これまでのやり取りで、なまえはこの男が真面目だということに気がついていた。東京の人は冷たいと思っていたが、人によるんだろうな、などと当たり前のことを考えていた。
 情に厚い真面目な性格だが、顔で損している。それがなまえの黒尾鉄朗に対する印象だ。
「高いビルがいっぱいあるところに行ってみたい」
 なまえは「高いところが」が好きである。音駒の町も嫌いではないが、東京に来たのだから札幌のようにビルの立ち並ぶ町をたくさん歩いてみたいと思っていた。
「スカイツリーとか? それとも、新宿? 銀座?」
「よくわからないけれど、札幌みたいなところ」
 なまえの大都会の定義は高層ビルが立ち並んでいることである。黒尾鉄朗はなまえの発言に、怪訝そうに眼を細めた。しかし、すぐに何かを諦めたかのように溜息をついた。
「はいはい、良いですよ」
「じゃあ、代わりにバイク買ったら後ろに乗せてあげる」
 黒尾鉄朗は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。随分と表情が豊かだな、などと思いながらなまえもキョトンと首を傾げたが、なまえなりに黒尾鉄朗の気持ちを考えた。
「何さ。私は法律は守るよ。十六歳になってすぐに免許とったから、もういつでもニケツできます」
 バイクは免許取得後すぐの二人乗りは法律で禁じられている。真面目な黒尾鉄朗のことだから、それを気にしているのだろう、となまえは解釈した。
「いや、バイク買おうと思っているんだけど、お金足りなくてさ。バイトしたいんだけど、電車? 乗れないから」
「わかった。明後日部活休みだから」
 黒尾鉄朗の顔には「僕は思考を放棄しました」と書いてあったが、なまえはその程度で人間関係は悪化しないと判断した。途中経過はともかく、肝心なところで読み間違えないのはなまえの長所だった。
「お礼、楽しみにしていてね。東京って海から見えるのは朝日なんでしょ。朝日見ようよ。大丈夫、お父さんのヘルメットあるから」
「あーはいはい、アリガトウゴザイマス」
 最後は片言だったがなまえは笑って流した。

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