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▼ 13/05/10 (22:58)

 ツイッター用に思いついたのに、あまりのバイオレンスさにお蔵入りになりかけた小話です。首席に切り殺される話。



『今際の際に見るものは、』
まるで、万華鏡の中に放り込まれたようだ。七色に煌めく石英の林で、彼はぼんやりとそんなことを考えていた。鈴が鳴るような音を響かせて、脆くも儚く砕け散る水晶のかけら。それをまとわりつかせながら吹き飛んでいるというのに、心は妙に穏やかだ。ついでに言えば、水晶とともに心臓を貫かれたというのに痛みはない。ああ、死ぬのか。心残りはあるはずなのに、後悔も何もない。彼は霞みゆく眼で、それでも前を見ようとした。己を切り殺した、その相手を。
 鮮やかすぎる一閃。それを成した腕は意外と細いがしなやかな筋肉がついていた。凛とした立ち姿は、まるで金剛石の様。どこまでも透明で人の目を引く美しさを持ち、とても強かに見える。だがその実は熱に弱く、一定方向からの打撃にあっけなく破壊されてしまう。強さともろさ二つを併せ持つ鉱石は、目の前の彼によく似合う気がした。
 薄い金色の手甲に覆われた手が握りしめるは、彼の血液が付着して濃さを増した緋色の刃。長い前髪の間から、どこまでも透明な翡翠色のまなざしが覗く。きらきらと輝きながら舞い散る水晶の輝きがその中に映っているというのに、瞳から光の存在を感じ取ることはできない。あるのはただ、奈落のごとき昏さのみ。
 人間味をそぎ落とされたからこそ、そこに美しさがある。血に染まった刃を愛でるような、倒錯的な美が。
 彼はすっかり魅入られてしまい、己の命を刈り取った男を陶酔しきった様子で見つめ続けた。次第に目が見えなくなり、思考が止まっても。陽炎のようなあやふやな存在に成り果てながら、黄昏色を纏った一人の騎士のことを――ずっと。


▼ 13/05/06 (23:29)

ツイッターへのリンク開通と、黄昏色かげぼうし(下)更新しました。これで閣下VSダミュ話に専念できるぞー。あと後半、後半だけっ! それがきっと長いんだろうなあ…。


▼ 13/05/06 (20:52)

ツイッターにつぶやいた短文にちょっと文章を付け足してみました。所謂雰囲気小説です。即興です。健全ですが色っぽい感じになっていればいいなあ…。お相手がだれかは、ご想像にお任せします…。




『熱に侵されて、夜』

 薄紅に色づいた褐色の肌へ、珠のような汗が浮かぶ。濃い灰色をした髪の間から覗く潤んだ碧の双眸は、いつもよりも濃い霞がかかっており、ここではないどこかへと視線を彷徨わせている。乾ききった唇がわずかに開き、熱を帯びた吐息が零れ落ちた。
 小柄な体格のわりによく鍛えられ引き締まった体つきを黄昏色の隊服の下に隠し持つ彼は、か弱さとは無縁に見える。だが彼にうっすらと纏わりつく物憂げな翳が、彼を儚いもののように思わせていた。病に侵された今は更に、その傾向を強く感じとれる。目を離した瞬間に、ふっと跡形もなく消えてしまいそうな気がして、男の無骨な手を握りしめた。いつもはひんやりと冷たいそれが、今はひどく熱い。命があることを主張する温度だ。
 ふと思いついて男の襟を緩めて胸元を露わにさせる。晒された胸には、ぼんやりと輝く紅の宝玉。男の命を司るそれへ、コツリと額を乗せた。肌から感じ取れるのは、規則正しい駆動音。彼の命そのものを掻き抱く羽のような意匠を施された筐体と、彼との境目を指でなぞる。
 男の唇から熱のせいだけではない、むず痒そうな音が零れる。まだ意志の色がぼんやりとしか宿っていない瞳に自分の姿が映ったことへほの暗い満足感を覚えながら、彼の瞼をそっと手のひらで隠した。

「おやすみ」


▼ 13/05/04 (22:04)

スパコミ行ってきました! いろんなおっさん本が買えて満足です。そして、イベント参加のための素材集やテーブルクロスも購入。活動し始めたばかりですが、10/27のスパーク目指して書いていきたいなあと思っています。イベント行ってやる気をもらってきました! イベント参加目指して頑張るぞ!


▼ 13/05/02 (20:30)

スパコミが近くなってワクワクドキドキが抑えられない管理人です。今は閣下とダミュさんでバトルものと、黄昏色かげぼうしの続きとを両方書き進めています。普段は一作づつ書き進めていくタイプなのですが、その時の気分でかき分けるのもいいものですね。


▼ 13/04/27 (23:41)

黄昏色かげぼうし、更新しました。
前回更新から十日ほどたっていたので、できているところまでアップしました。今回はほのぼの系です。でも、黄昏色ということは……? 待て、次号!
次はまた十日ほどかかるかな…。


▼ 13/04/27 (20:53)

今日からゴールデンウィーク突入ですね。自分は暦通りの休みをいただき、四日はスパコミに一般参加する予定です! 今から待ち遠しくて仕方ないです。大きなイベントは春コミ以来二回目なので、勝手は少しわかったもののまだドキドキしますね。
今日はコピー本を作ってきました。本を作ってイベント参加したいという野望を持ってはいますが、今回は今まで書いた短編を印刷した自分向けの物を作りました。本作りの勉強も兼ねてます。セブンイレブンに、ネットを参考にwordでPDFファイルを作ってコピーしてきました。簡単に製本できる状態になって出てきて、感動です。A5サイズにしたので、本文は二段です。初めて自分の文章をちゃんとした形で読んでみて、震えあがるほどうれしくなりました。しばらくじっと眺めていました…。
やっぱり紙とデータは違いますね。改めて読み直してみて、自分の文章のくどさに気が付くことができました。一文に色々と詰め込みすぎで、いちいち引っかかって読みにくかったです…。騎士は〜のほうは、少し気が付いて短めに区切るように心がけましたがそれでも若干くどい。また書けたらコピー本を作って読み直してみたいなと思ってます。


▼ 13/04/26 (22:28)

ちょっと夢の国まで行ってました。色々なアトラクションに乗って、あの世界に浸っていると、ファンタジーな想像が掻き立てられます。空を飛んだり洞窟の中に入ったりなど、非日常体験をするたびにおっさんを思い出して、このシチュエーションで物語を描くとしたらどういった感じになるだろうかと考えていました。

おっさんは首席もダミュロン時代も含めて大好きなので、そちらのほうもいつか書いてみたいと目論んでいます。いつものおっさんに首席らしい言動・思考などがちらりと見える感じも好きなのですが、完全に首席状態でのPTキャラとの話なども書いてみたいです。筆が進むようになるまで時間がかかるタイプなので、無限にかける時間や集中力がほしいです…。


▼ 13/04/25 (19:49)

二週目が、二週目が遠い…。
そういえばおっさんBOTと戯れるためにツイッターを始めました。話しかけたら答えてくれるのでほっこりします。ただ、まだやり方がよくわかっていないので、返事が返ってこないとしょぼーんとなります。世の中ままならないものです。


▼ 13/04/24 (19:12)

雨が降ると途端に元気がなくなる管理人です。こんばんは。
そういうわけで、今日・昨日とゲームはお休みしています。その代り、なぜか進撃の巨人のアニメを見ていました。まだ本格的な戦闘は先のようですが、楽しみです。怖そうですが…。ガクガクブルブル
次作品はセリフのみ半分まで書きました。これから情景描写・感情描写による肉付けを行っていくのですが、ほのぼの作品はこの描写が単調になりがちで苦手です…。読むほうは大好きなんですけれど。まだまだ書きたいネタはたくさんあるので、バリバリ書いていきたいと思います。





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