ささやかな日常に潜む膨大なツイート


15.11.4 『たまには読書録』


 ちょっと前にお友達のブログで見て、読んでみようかなと思った話に手を付けてみました。

七月隆史さん『ぼくは明日、昨日のきみと、デートする。』
初読み作家さんです。

泣けるという前評判を聞いてから読んでいるので、少し構えてしまったかも(笑)
じわりとはしたけど、泣けはしなかったかな。

内容としては、
京都の美大に通う高寿はある日電車でとある女の子に一目惚れする。
普段そんなことをするタイプではないが、この日は違った。
彼女に声をかけ、二人は交流を深めていく。

丁寧な筆致で綴られた心理描写で、運命の人に出会えた高寿の気持ちがすごく伝わってきます。
そして完璧で泣き虫な彼女が時折見せる違和感に、甘いだけの恋愛小説ではないのだろうという予測がつきます。

中盤、秘密が明かされて、そこからはとても切ない恋愛物語に変わっていきます。

綺麗で切ない純愛物語ですが、
個人的には、切なすぎて辛かった。
結局は“こうありき”の運命をたどる二人に、ちょっともどかしくも感じたかな。

彼女のこの先に何かしらのサプライズをあげたかったです。
たどるだけじゃない、未来を。

そんな仕掛けがあったらもっと良かったなぁと思いました。

ファンタジー(というかSFかな)設定があるので、それが平気な方にはおすすめですー。






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