恋に気付くのは〜 の続き的なおはなし。















相変わらずイライラしていた。


あれからいくら考えても理由はわからなくて。




「ヒロト、相談がある」

「玲名が俺に?珍しいね」



ここは正直に本人に話してしまった方が早いのではないかと思い、私はヒロトの部屋を訪れた。

ヒロトの部屋に入るのも何年ぶりだろうか。シンプルで飾り気のない部屋だったが棚の上におひさま園のみんなで撮った写真が飾られていて思わず笑みがこぼれた。


今なら、素直に言える気がする。


「ヒロト、私はな‥」






何故かイライラすること、手をあげて悪いと思っていること、嫌われたくはないこと。


全部話した最後に私はヒロトに一言だけ質問をした。何故だと思うか、と。

話をするにつれてだんだん顔を赤くしてそわそわし始めていたヒロトは俯いていた。

やはり私が抱えていた気持ちはそんなに難しいものだったのだろうか。



「‥‥‥‥。」

「‥‥‥‥。」

「‥‥‥ヒロト、どうかしたか?」



何も言わないヒロトに私は思わず口を開いた。相変わらず顔を赤くしていて、考えすぎて熱でもあるのだろうかと少し心配になった。



「えっと、その‥‥」



少し言いづらそうに口を開いたヒロトの言葉にまた手をあげてしまうことになるなんて、この瞬間は微塵も考えていなかった、のだが。



「‥玲名は俺に、」








恋をしていませんか?






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