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2013/08/30
上院中の入学式当日、金森てつしは困惑していた。

「……てっちゃん?」

小首をかしげる椎名の髪が揺れる。
二ヶ月前から伸ばし始めた髪は、肩にかかるほどになっていた。
いや、毎日のように遊んでいたのだから髪が長くなっていることは知っていた。
てつしが困惑している理由はそこではない。

「椎名、セーラー服似合ってるよ!」
「ありがと、リョーチン」

そう、椎名がセーラー服を着ているからだ。
小学生だった時はスカートをはいているところなど見たこともなく、髪の短さもあいまって少年のようだった。
ところが中学校に上がると制服によって男女の性差がはっきりと現れる。

「…………リョーチン」
「何ー?」
「椎名って、女の子だったんだな……」
「今更?」

俺は、てっちゃんはとっくに椎名を女の子として見てると思ってたんだけど。
そう言ってにやりと笑った良次に、てつしはわけもわからず顔が赤くなるのを感じた。

「てっちゃん、リョーチン、そろそろ入学式始まるよ。さっさと行かないと」
「お、おう、今行く!」

てつしは慌ててかけ出し、椎名の後を追った。
顔の熱は、まだ冷めないまま。



※てつ椎♀。
中学生になって椎名を狙う男子は少なくないので、てっちゃんは気が気じゃないはず。


2013/08/27
「あちー……」
「暑いー……」
「夏なんだから暑いのは当然だろ」
「なんで椎名だけ涼しい顔してんだよ!まさか……椎名の周りだけ冷気が……!?」
「馬鹿じゃないの。暑い暑いって言ってるから余計に暑くなるんだよ」
「えー、だって暑いものは暑いもん!」
「だよなー!」
「はぁ……、読書に集中してれば暑さなんてどうでもよくなるよ」
「なるほど……」
「しんきゃくめっとーすれば火もまた涼しってやつだな!」
「心頭滅却って言いたいの、てっちゃん?」



※三人悪。
昨日がシリアスだったからおバカな会話文。


2013/08/26
「豪さん、」
「おう、竜也か。またこんな時間に散歩か?」

最近、豪さんに会うと胸が苦しくなる。
理由はわかりきっているけど、どうにかなるものでもないから、心の内にしまい込むしかない。

「最近この辺も物騒だからな。夜道にゃ気をつけろよ」
「うん。……豪さん」
「ん?」
「俺、豪さんの……」

言いかけて、あわてて口を噤んだ。
不思議そうに首を傾げる豪さんに、なんでもないと言って言葉を濁した。
こんな感情をぶつけたって、迷惑にしかならない。

「具合でも悪いのか?」

そう言って、豪さんが俺の額に手を当てた。
瞬間、ボッと火が付いたように顔が赤くなるのがわかった。
その顔を見られないように俯く。

「大丈夫、だから。……俺、もう帰るよ」
「?おう、じゃあな」

まだ帰るつもりはなかったけど、早くこの場を立ち去りたくて嘘を吐く。
次に会う時までに、この感情が無くなればいいと思った。
こんな感情を持ち続けていたって、この先も伝えることはできないから。



※竜也視点の三田←竜。
シリアスはなんか書いてて恥ずかしいわ…


2013/08/25
目の錯角か何かだと思った。
私の目の前で、現実では考えられないようなことが起こっていたから。

屋上で授業をサボっていたら、三人悪と呼ばれる我が校の有名人たちが一人の生徒(名前忘れた)を囲み、それぞれお札を叩きつけていた。
何を言っているかわからないと思うけど、私もよくわからん…。

とにかく関わると面倒だと思い、彼らに見つからないように奥へ移動して昼寝を再開することにした。


※三人悪と無気力系ヒロイン。
多分、椎名と同じクラス。


2013/08/25
なるべく毎日更新する。
主に地獄堂、時々違うのも書くかも。

配布元:絶対運命


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