「ん…」


窓から差し込んだ太陽の光に私は目を覚ました


「ベッド…?」


昨日屋根の上で寝ちゃった気がする…
もしかして無意識のうちに自分でベッドに戻ったのかな?
…それはないか、多分神代が運んでくれたのだろう
後でお礼を言おう
お風呂に入っていないことを思い出した。

そして私はお風呂に入った


お風呂に入ったあとは綺麗に身支度を整え、花壇の水を上げに外へ出た

すごく今日は天気がいい
雲一つない快晴だ


花壇に水を上げていると泉里が屋根の上からひょこっと顔をだしてきた


「ナナシおはよ!」

「おはよう泉里」

「今日はいい天気だな」

「うんそうだね、天気もいい事だし後で薬草取りに行こうかな」

「俺も手伝うか?」

「いいの?」

「ああ、もちろんだぜ、どうせお前一人で行かせたらどこか怪我して帰ってくるからな」

「…気遣いありがとう」

「あ、拗ねてる」


拗ねてる私をみて泉里はけらけらと笑った
私はその事について否定出来なくて少し悔しかった

私の魔法は自分への治療魔法はまだ完璧とはいえない。しかし、仲間たちの治療魔法はほぼと言っていいほど出来る。
もともと私は治療魔法以外の攻撃魔法が得意じゃない。


「…さてと俺は神代と会ってくるわ俺も心配だからな、それから薬草取りに行こうぜ」

「うん。分かったよ。でも紫苑ちゃんが神代のこと心配で合わせてくれないかもよ?」

「そんなことは心配無用。俺は窓から入るからな」

「身軽でいいね…」


私と違って身軽って羨ましい。
私もそれに負けないように魔法の練習しないと


「…お前いつも狙われやすいんだからいざと言うときに自分の身を守れるようになれよな」

「うん」


泉里の言う通りだ。私はこの辺の人とは違く、魔力を持っているから私の力を利用しようとしている人がいて私を誘拐しようとする人が多い。


いつも他の村とか町に出かけるときは私の友達…泉里とか亜鉛華とかがついてきてくれる。神代も友達だけど神代は病気で起きる事が出来ないからついてきてくれることはない


私は魔力を使うと左目が赤く光ってしまう。

そのおかげで周囲の人に私が魔力持ちだとバレてしまい、そのときによく狙われる。


一ヶ月前街に出掛けたときに転んで泣いていた男の子がいた。そのとき付き添いに着いてきてくれていたのは亜鉛華だった。


その子を見て私は可哀想に思えて治療魔法をつかおうとした。もちろん亜鉛華には止められた。


しかし私は「誰も見てないから大丈夫」とか言って治療魔法を使ってしまった。

当然左目は赤くひかり、思ったよりも…いや、周りにいた人全員が私に注目した。


亜鉛華は「これはまずいなぁ…」と呟いて私を担いで人目のないところへ逃げた。


そのあと私の目を見てしまった人は私を狙って探し回っていた。人目のないところへ逃げた私達はその様子を見ていた


私達はこっそりとその街からでて静かに古都楓魅へと帰ったのだ
亜鉛華がいなかったら私はどうなっていたのだろうか。


あの時は亜鉛華がいたから助かったがいつでも友達が助けてくれるなんて限らない。
だから私は自立しないと駄目なんだ。


「それじゃ、後でな」

「うん、バイバイ」


こうして私と泉里は一旦別れることにした

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