6 鈍感な
「遅かったなお前ら」
「待たせてごめん、日向と七海」
二人は仲良く噴水のベンチに、座っていた
「全然大丈夫だよ、…それよりもいつもより随分と人が多いですなぁ…」
七海が言っているのはきっとキーボと天海の事だろう
「あぁ、それはこの二人が一緒に帰りたいって言うから」
「迷惑なら別にいいんすけどね」
「ほら、そんなこと言わないでよ天海」
天海は遠慮するから私はそう言う
「全然迷惑じゃないよ…むしろ嬉しいかな?」
七海もこの二人が一緒に帰るのは賛成だ。
「俺も全然…いや、むしろ嬉しいくらいなんだがキーボと天海は家の方向逆だろ?」
日向はその事について気づいたらしい
「…それは」
「この二人はボクの家に泊まっていくから安心して」
私が事情を話そうと思ったら狛枝が私の代わりに答えた。
「まだ決まってないんすけどね…」
天海の言うとうり、正確にはまだ決まっていない
でも話すだけ話していいだろう
「あ、あの!今日はボクの身体の臨時メンテナンスなので泊まる事は出来ないんです!」
と、キーボがいきなり言い出した
「そうなんだ、じゃあ狛枝の家に泊まるのは天海だけって事だね」
「そういう事になるね」
「俺は狛枝さんの家に泊まるの確定なんですね…なんか本当に申し訳ないっす」
「ええ!なんでキミがこんなゴミクズに謝るのさ」
「狛枝はゴミクズじゃないでしょ」
私はそう狛枝に言った。
そのあと私達は皆で私の過去の話やなどを話しながら歩いた。
案外そういう事を私は話していなかったみたいで皆驚いてた。
「…なんか、こういうのっていいよね…」
七海がそう言い出した。
「そうだね…」
私もそう思う。
私はこんな平凡な日常が好きだから。
こんな時間がこのままずっと続けばいいのに…
「もうここまで来ちゃったな…」
話しているといつの間にか日向達と別れる分かれ道まできてしまった。
楽しい時間は本当に早くすぎるものだ。
「うん、日向七海バイバイまた明日ね」
手を振って私はそう言った
そう言うと七海もてを振った
「バイバイミョウジちゃん、狛枝くん天海くん。」
「バイバイ、また明日な!」
日向も笑顔で手を振ってくれた
皆手を振ってそのまま自分達が帰る家に向かった。
私、狛枝、天海は帰るところが一緒なので家まで帰った。
帰ったと同時にキーボにも別れを告げ、キーボは博士の元へと帰っていった。
今日は楽しかったなぁ
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「バイバイまた明日な!」
そう笑顔で手を振る日向くんはミョウジちゃんを愛おしそうに見つめていた。
私は分かっている。
日向くんがミョウジちゃんの事が好きなこと。
ミョウジちゃんはそれに気付いていなくてむしろ日向くんが私の事を好きだと思っている事も。
みんなで別れたあとに私は聞いてみた
「…日向くんってミョウジちゃんの事好きでしょ?」
「えっ、あ、あぁ…まあ、な、友達としてだ」
ほら動揺してる。
やっぱり日向くんはミョウジちゃんの事が好きなんだ。
「嘘つかないでよー異性としてでしょ?」
日向くんは驚いた顔をして恥ずかしそうに頬を掻いた
「…俺ってそんなに分かりやすいか?」
「うん。…でもミョウジちゃんは気づいてないみたいだけど」
そう言うと日向くんはため息をついた
「やっぱりか…アイツ、鈍感だもんな」
日向くんの言うとうりミョウジちゃんは鈍感すぎる。
日向くんの気持ちに早く気づいてーってよく思う。
でも、
「…鈍感って言ったら日向くんもだよ…」
「え?なんか言ったか七海」
日向くんも鈍感だ。
モテてるのも気づいていない。
「もう1回言ってくれないか?」
「んーねみー…」
「お、おい!寝るなよ!」
鈍感な日向くんに意地悪するために
とりあえず寝ておいた。