4 参った事にも
暖かい。
ずっとこんな時間が続けばいいのに
ずっと眠りに落ちていたい。
「わー!!何やってるんですか!!ミョウジさん!!」
その大きな声に私は目を覚ました
いい感じに寝ていたのにうるさいな…
一体私を起こしたのは誰だ…
「…んー…うるさいなぁ…」
私は寝返りをうって二度寝しようとしたが寝返りが出来ない。
この時、私は寝起きなので何が起きていることさえ理解出来なかった。
左を見ると狛枝の顔がどアップ。
狛枝が隣で寝ていた。
起き上がろうとしても起き上がれない
「ななな何やってるんですか?!こここ狛枝さんと一緒に貴方は…!」
「え?ん?」
「ん…なんか騒がしいっすね…」
キーボらしき声のした人に起こされて目が冴えた
ついでに天海も起きたらしい。
天海はふかふかのソファーに寝ていたらしい。
そしてこの状況をよくよく考えてみると
「…どういうこと?」
いつの間にか狛枝が私の隣で寝てる、それにガッチリと何故か抱きしめられているため起き上がれない。
「そ、そこにいるのはキーボだよね?起き上がれないから助けてよ!」
「は、はい!」
「んーうるさいなー…」
と、狛枝は唸る
「狛枝さん!ミョウジさんを離してください!」
と、ベリっと効果音が流れそうなほど勢い良くキーボは私と狛枝を剥がした
「ありがとうキーボ」
こうしてようやく起きる上がることが出来た
狛枝は…いや、狛枝もゆっくり起きた
「…狛枝さん、ミョウジさんに何してんすか」
天海が怒ってる…
「あれ?参ったなぁ…」
狛枝はあははと頬をかく
「ちゃんと説明してください」
「…いや、別にこれは意図的なものじゃないよ、あの装置触ったら何故かいつの間にか気を失っちゃってさ、死んだかと思ったら生きているし起きてみてそばにミョウジさんがいただけなんだよね」
狛枝が指さした方向には、入間に作ってもらった装置があった。
あの装置はボタンを押すだけで一瞬で眠りに入れる。
しかもロボットが勝手にベットに運んでくれるという装置だ。
私は寝れない時がしょっちゅうあるためよく使う。
それにベットに行くのがめんどくさい時とかも。
「ボクの幸運が働いちゃったみたいだね…そのお陰でボクは気持ちよく寝れた訳なんだけど」
「それは良かったっすね」
何故か天海起こってるし…怖い。
「ミョウジさん!なんで勝手に男をこの部屋に入れてるんですか!こんな人は入れるべきじゃないんですよ!危ないんですよ!」
「…昼寝するためだったから、それにこの二人はそんな事する人じゃないし」
さっきのは事故だった。という事でいいだろう。
狛枝は意図的にこんな事するような人でもないし、天海は私のこといつも配慮してくれるから。だからさっきのは事故だと考えるべき
「というかキーボくん、なんでミョウジさんの許可なしにこの部屋に入ってきてるの?」
あ、そういえばその事について二人に説明していなかったな。
「これはミョウジさんがそうセキュリティして下さったからです!」
キーボはドヤ顔した
「それこそ危ないと思うんすけど…だってキーボくんは一応男っすよ?」
「ぼ、僕は狛枝さんみたいにハレンチな事しません!それにミョウジさんはいつもボクとアレをするために僕が自由に出入りしていいようにして下さってるだけですから!」
「ますます怪しいっす」
天海はキーボを怪しんだ顔で見ている。
「それってボクより更にすごい事しているように聞こえるね」
あははと狛枝は笑っている。
キーボはいつも誤解を招くこと言うからなぁ…
「すごい事?…まあ、すごい事はしているんですけど」
更にキーボは誤解を招くことを言う。
「ミョウジさん…一体貴方はキーボくんと何をやってるんすか…そろそろ俺、参ってきたっすよ…」
天海は顔色が悪くなってきてるし…
天海も頭の整理が追いついていってないみたいだ
後でちゃんと説明するのはめんどくさいなぁ…
でも説明しないとこの二人は絶対納得しないし…
「私がちゃんと説明するよ。私はね超高校級のゲームプログラマーだから学園長頼まれてあるものを作ってるの。“あるもの”は、まだ言えないんだけど、時々キーボに手伝ってもらう事があるからキーボはセキュリティを解除してあるんだ。」
「ふーん…でも後輩に不二咲千尋っていう子がいるんだけどその子には手伝ってもらわないの?」
流石自称超高校級の超高校級マニア狛枝。
1年の子の事もちゃんと分かってる。
「ああ、その子も時々手伝ってもらう事があるからその子も解除してあるよ…という訳だからもういいでしょ」
「じゃあ、俺達もドアのセキュリティ解除してください」
いくら天海でもそう易々と解除はしたくないから無視。
「キーボ、今何時だっけ?」
「えーと、今は4時ですね」
4時か、そろそろ皆で帰る時間だな
「何無視してんすかミョウジさん」
「天海なんて言ったんだっけ?」
聞いてないふり。
この計画に参加していない人たちはなるべくここに入れない方がいいと思うし…
「…はあ…別にセキュリティ解除しなくてもいいんすけど俺はミョウジさんが心配なんすよ…」
こんな事言われてしまうと、私は天海に弱くなる
私は一人っ子で、天海は私を妹のように扱ってくれるからだ
「…ねえ、どうしようキーボ…」
「え、なんで僕に聞くんですか?本当にミョウジさんは天海くんに弱いですね…」
キーボにも私が天海に、弱いという事もバレていた
はは…と、キーボは苦笑いをしてからゆっくり口を開いた
「…えーと、僕はセキュリティは解除しない方がいいと思いますけどね…」
「え、なんで?」
狛枝がキーボに聞く。
「この計画は参加していない人に易々と教えるものじゃないんです。だからあまり入れない方がいいとおもうんです…」
そうキーボが言うと天海は納得したかのように頷いた
「…じゃあ、俺は大人しく下がるっす。でも、何かあったら俺に言ってくださいね」
「本当に天海はお兄ちゃんみたいだね」
「お兄ちゃんっすか…まあ、俺はミョウジさんが妹だったら大歓迎なんすけどね」
なら天海の妹にもなりたい
絶対幸せ。
天海は優しいし
あ、そういえば天海は沢山妹居たんだったなぁ。
「きっと天海なら私の事を幸せにしてくれるよ…」
「えーと…まあ出来ることはできるっすね」
天海は嬉しそうにしているみたいだ
「あはは、さっきミョウジさんが言ってた事凄く誤解を招きそうだよね。…あ、それと二人ともそろそろ行かないと日向くんと七海さんを待たせちゃうよ?」