▽ 2話
「…ナナシサンヨウコソコンパスヘ」
名前を呼ばれて振り返るとロボットが喋った
「私ハココノ管理者Voidollデスヨロシクオネガイシマス」
『は、はいよろしくお願いします…』
「タメ口デイイデスヨ」
「そんな緊張するなって!Voidollは良い奴だからさ!」
『う、うん…それよりコンパスって何?』
「ソレヲ今スグ説明シマス。“コンパス”コノ世界ハ一言デイウト電子的ナ世界デス。例エバ、ソウ、ゲームナドノ世界トニテイマス。マア、コノ世界ハホトンドゲームデスケドネ」
「…Voidoll」
「オット、コレ以上ハ企業秘密デス。コレ以上イウトアタリサンニオコラレテシマイマスカラネ」
『企業秘密か…気になる』
「そうかもしれないけどごめんよこれ以上は言えないんだ」
『そこまで言うなら大丈夫だけど…』
「トリアエズコノ世界デヤルコトをイイマス。
コノ世界デハバトルアリーナというバトルヲスルトコロガアリマス。
ソノバトルニ勝テバデータチップトイウモノガテニハイリマス。
ソノデータチップヲ解析ヲスル。ソレダケデス」
「まあ、ようするにデータチップを手に入れてそれを解析するみたいなかんじ」
『バトルアリーナって?』
「ああ、簡単に言うと3対3の陣取りバトルだ。
ポータルキーというキーがあるんだけどそのキーを敵チームより多く取ったら勝ちだ。ちなみにポータルキーは五つ、ステージもランダムに設定されている」
『ゲームみたい』
「うーん…ゲームかぁ…バトルやってみるとわかると思うけど攻撃されると痛いぜ?それに力尽きるしな」
『…怖い』
「まあ、安心しろ!慣れればなんともないから!」
『そういうものかな』
「あ、言い忘れてたけどバトル中仲間になるやつらは皆他のコンパスの世界から来たやつだ。バトル中に喧嘩とかすると後で結構大変な目にあうから気を付けろよ」
『うん、分かった』
私は気になった点がひとつだけあった
『ちょっと気になったことがあるんだけど』
「ん?なんだ」
『この世界でずっとバトルしなきゃいけないの?』
「あ、それは今説明しようとしたところだぜ、別にここではずっとバトルをしなきゃいけないというルールはもちろん無い。」
『この世界には何も無いね』
「酷いいいようだな…案外この世界は楽しいんだぞ?」
『ここは機械室らしいから真っ白じゃないけどほかの場所は全面真っ白なのに?』
「この世界は真っ白じゃねぇよ、お前がいた前の世界と同じように暮らすことができるんだ」
『…?』
よけいに混乱した
その様子を見てアタリは「やっぱりな…」とちいさく溜息をついた
「ちょっとナナシ借りるぜ」
「了解デス。私ハシステムニエラーガナイカコノ部屋デチェックシテマスノデ」
するとアタリは私の手を取ってぐいぐい引っ張っていった
そしてその部屋から出る
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