傷つけ愛 | ナノ


▽ 1話



目を覚ますと私は見知らぬ場所へいた

当たりは全て真っ白


見渡しても真っ白な世界が続いている
この場所にいても飽きてしまうため、立ち上がって何かないか探してみても何も無い。


ただ、真っ白な世界が広がっている
この白くて大きな世界で一人というのは不安で怖い


誰もいないなんてどうかしてる。
それに物すらない。


ここはどこ?天国?それとも地獄?どちらでもない?


本当にここはどこ?

何故かここに来るまでの記憶がない。
思い出そうとすると頭が痛くなる


すると一瞬ぼやっと遠くで人影が見えた


誰もいない世界でやっと見つけて嬉しさと安心さが出てくる


私はその人影に向かってダッシュで行った
走るたびにその人影は大きくなってくる

そして後ろ姿だった人物はふりむいた


…どこかで見たような人

ヘッドホン、金髪ではねている髪の毛、水色の瞳
服は赤で腰にゲームのコントローラを付けている


でも、誰?


『…あなたは…だれ?』

「おお、ナナシか…良かった、探してたんだぞ!どこにいたんだ?」

『どこにいたって…』


…なんだろう、この人の笑顔を見ているとどこか懐かしい気がする
気のせい?


「どうしたんだ?悩んだ顔して」

頭をポンポンと撫でてきた
なぜか私ははにかんでしまう


『…それより、なんで私の名前を知ってるの?』


すると目の前の人物は私の頭を撫でる手を止め、悲しい顔になったような気がした


「…いいや、俺達はまだ会った事がないぜ、えーと、初めましてだよな!俺の名前は十文字アタリ!よろしくな!」


悲しい顔をした、と思いきや、とびきりの笑顔になった


『うん、よろしく…なんで私の名前知ってるの?』

「前から聞いていてからだ」


それにしてもすごくフレンドリーな気がする


『そうなんだ…もうひとつ聞いてもいい?』

「ん?なんだ?」

『なんで私はここにいるの?ここはどこ』

「お前はここになにかのバグでつれてこられたんだ。ここはコンパスの世界だ」


バグ?コンパス?言ってることが分からない


それよりさっきこの人は「つれてこられた」って言っていた
という事はもしかして私は誘拐されたのか?それともここは前の世界ではない他の世界なのか?


…よく分からない。

私はいつも道理に布団に潜り込んで寝ようとしたそしたらいきなり意識がとぎれた
そして気づいたらここにいた

ここは私の夢?


『ここは夢なの?』


…て、私の夢の住人に聞いても無駄かな


「夢じゃないぜ今お前はここでこの世界で生きているんだ」

『…おもしろい夢だね』


夢などなくいつも、どん底な私にもこんなファンタジーみたいな夢を見られたんだ


「夢じゃないぞ」

『こんなの夢に決まってるよ』

「信じてないらしいけどここは夢じゃないぜ、夢じゃないから起きることなんてできないんだ、今ナナシはここで生きているんだ」

『…やっぱり理解できない』


私は頭が混乱した
試しに頬を思いっきり叩いてみた

凄く痛い
ヒリヒリとする

叩いた場所が熱を持ち始めた


…夢じゃなさそう
夢だとしたらリアルすぎる
それに私の意識も朦朧としてない。

普通ならば夢の中では意識ははっきりとしていない


「詳しい事は俺たちの仲間のVoidollと一緒に聞きに行こうな!」


そういうと十文字アタリという人は空中に浮かんだものを操作した


『うわっ…!!』


するといきなり眩しい光に包まれた
目を開けると真っ白な世界ではない場所にいた

周りを見渡すと機械だらけ



ここはどこ?

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