▽ 18話
「うっ…」
目を覚ますと私は機械室にいた
辺りをきょろきょろ見渡すとVoidollがいた
Voidollは私が起きたことに気がついたのか私の方へと寄ってきた
「メンテナンス完了。ドウヤラナナシサンは1部エラーガ起オキタヨウデス」
つまり何かが故障して気を失ってしまい、それをVoidollが治してくれたということか
「ありがとうVoidoll」
「…イエ、」
Voidollは悲しそうに微笑み返した
「じゃあ、行くね」
私は機械室を出た
_______
ナナシが出た機械室のドアをVoidollは見ていた
(何故、彼女ハ悲シソウニ笑ウノデスカ。私ニハ理解出来マセン)
さっきのナナシの微笑みにVoidollにはどこか寂しさがみえた
それは何故だかは分からない
(ヤハリ、人間トイウモノハワカリマセン)
ロボットのVoidollにはそれがよく分からなかった。
寂しさ、悲しさ、嬉しさ、腹立たしさ、
どれも分からない
___________
「たくさん寝た気がする」
いろいろスッキリした感じがした
流石Voidollのメンテナンス
普通に廊下を歩いていると見慣れない人がいた
「あれ誰だろう」
そのヒトは私の存在に気がついたのか私の方に歩いてきた
私は嫌な予感がして逆方向に歩き始めた
そのハズだったのだが、その見知らぬ人の方が足が早かったみたいで追いつかれた
「貴方どこかで見た顔ね」
急に話しかけてきた
「それよりあなたは誰ですか」
「直球ね、ワテクシはポロロッチョよ、貴方は?」
「ナナシです」
ナナシ、そう聞いてポロロッチョという人は一瞬考えるような仕草をして
「なるほどね」と、小さく呟いた
「貴方は新しいヒトですか」
「いいえ、貴方より前にいるわよ」
そして「タメ口でね」とハートがつく勢いで言われた
そんな事よりも疑問に思うことがある
何故ポロロッチョという人は私より前にこの世界にいるのに今までいなかったのだろうか
「なんでワテクシは今まで居なかったのかって思ってるでしょ、顔に書いてあるわよ」
「えっ」
「申し訳ないけど今の貴方に話す気はないわ」
ポロロッチョは一瞬思いつめた顔をした気がした
そのお陰で気分を悪くしたのかポロロッチョは「バイバイ」と言ってどこかへ行ってしまった
私は取り敢えず自室に戻った
___________
「あれ?ポロロッチョじゃん!久しぶり!」
「あ!ホントだ!もう大丈夫なのか?」
ナナシと別れたあとそこらへんをうろついているとアタリちゃんとテスラちゃんが手を振ってこちらへ駆け寄ってきた
(フフッ、可愛いじゃない!!)
「貴方たち可愛いわね!ワテクシはこの通り大丈夫よ」
「そう?ならいいけどなんか今日元気なくない?」
「確かになー」
流石アタリちゃんとテスラちゃん感が鋭いわね
「久しぶりに生活してるからよ」
でも無駄に心配なんか掛けたくないわ
「ウソばっか」
「本当よーキスしてあげるわよ?」
「うわっ、嫌だ、てかいきなりなんでそんなるんだよ」
「…もしかしてナナシと会ったから元気ないの?」
「…半分正解ね」
本当に感が鋭いわね
「やっぱり~!」
「あ、そういえば今からテスラとバトル行くんだけどポロロッチョの来ねぇ?」
「じゃあ、御言葉に甘えて」
ワテクシは二人について行った
prev /
next
しおりを挟む
戻る
小説置き場
TOP