▽ 17話
20分後
「リリカ行こう」
「う、うん」
私の存在に耐えられないのかメグメグちゃんはリリカちゃんをつれて出ていってしまった
悲しいな
ダメだダメだ、いまは集中しないと
やっと3段まで建てられたんだから
「あーあ、リリカちゃん行っちゃった本当にお前の存在嫌なんだけど」
背後からそんな言葉が聞こえた
この声はマルコスか
「ちょっと聞こえてる〜?あ、聞こえてないか」
「マルコスさん言い過ぎですよ」
クスクスとマルコスとアダムは私の嫌味を聞こえるように言った
私は聞こえないフリをした
いちいちそんなのに反応するのにもいろいろめんどくさい事になりそう
だから我慢する
でも嫌な気持ちだ
心がもともと傷だらけだから傷を広げられている気分だ
もうこんな場所に居たくなくて私はトランプタワーをわざと崩してトランプは片付けないでゆっくりこの部屋から出ていった
「あ、出ていった」
などと私を笑っていたのを聞かないふりをした
「あ!ナナシおねーちゃん!」
顔を上げるとコクリコちゃんが私の方へと駆け寄ってきた
コクリコちゃんの前ではちゃんと笑わないと。
私は頑張って微笑んだ
「コクリコちゃん、どうしたの?」
「うんとね〜」
そうコクリコちゃんが言いかけたら
「コクリコ!」
奥の方からコクリコちゃんを呼ぶ声が聞こえた
ヴィオレッタさんだ
ヴィオレッタさんはコクリコちゃんに駆け寄ってコクリコちゃんを私から離すように抱きしめた
「コクリコ、行きましょ」
「えーだってナナシおねーちゃんがー…」
「それよりいいものがあるのよ、行きましょうね」
ヴィオレッタさんはコクリコちゃんを抱っこして立ち上がって行こうとした
「ばいばいナナシおねーちゃん」
私はコクリコちゃんにも手を振った
多分ここのみんなはコクリコちゃん意外私のことを嫌っている
_「夢ばっかみるな!お前は誰にも愛されないんだ!」_
嫌な思い出が頭をよぎった
「…嫌だやめて私は、私は…」
やめて痛い痛い
私を愛して夢を見させて
息が苦しい息ができない
助けて
過呼吸になり、酸素を上手く吸えない
苦しい。
まるで首を絞められているようだ
目元がだんだん暗くなっていく
そこで私は意識を失った
_____________
Voidollはナナシのシステムのエラーに気づき、ナナシの元へと行き、原因を突き止めた
「異常感知、感情システム故障。原因トラウマ、ストレス」
Voidollはナナシの状態を見ると精神状態はとても最悪ということが分かった
おそらく原因はヒーローたちのせい
Voidollはただのロボット、だから感情はない。ナナシが可哀相だなんても思わない。
誰かを愛すことなど知らないロボット
(…?ナゼサッキ心ガチクリトシタノデショウ…)
そんなナナシの姿をみてVoidollは心が痛んだ
こんな感情はVoidollには全然分からなかった
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