ヤツと
物置きだったあの部屋に名前がついて、俺は"めでたく"刑事課から下ろされ、現相棒は出所した。おめでたい事だらけで忘れたくても忘れられないな。
俺とミゲルは…あまり面と向かって、言うことがない。
…何を?"自分達についての話"だ。
一年が365日…単純計算で730日…プラスα、引くことの"トラック"、エトセトラエトセトラ…これでも付き合い方は気に入ってる。ご存知かもしれないが、俺達は歩み寄る事を知らない。
どっちかが勝手に追い越したり立ち止まったり、並んで歩く事があったなら、タイミングが良かっただけだ。
競ってもいない。勿論賭けてもない。そうして今までやって来た。
ストレスフリーで健康的。だが偶には"一緒に歩きたい"って、思ってる事を互いに知ってる。それで良い。
何年経とうが俺達の関係性は変らない。しかし変わった事と、気付いた事は幾つかある。
・覗く"目"
"俺達"に少し、ミゲルにはもっと憧れてるヤツが居る。
俺はそいつを知らないが、それについてはよく知ってる。
・ものを見る"目"
生まれ持った眼球は替えの利かないものだ。
こう言うだろ?"見方が変われば世界が変わる"
立場、感情、状況…全てが起因する。
…言いたい事をハッキリ言うなら、クソを煮詰めたみたい
な頑固者は憎たらしい。
それ以外はドストライクだ。
お前たちに聞かせてくれ。俺は一体、どうすればい
い?