※裏注意!
※カラオケです。嫌な予感がした人は逃げましょう。









「んっ、んー んあ、あんっ」
「おら、もっと腰上げろ。慣らしにくいだろうが」
「ふぁ! ふざけ…っあっあっやああッ」
「負けた方が勝った方の言う事聞く、だったか? 忘れたとは言わせねぇぜ、臨也くんよぉ」


ぐちゅんという音と共にシズちゃんの指が3本挿入され、俺の反論を喘ぎに塗り替えていく。気まぐれにぐるりとかき混ぜられ、横一杯に広げられてぐずぐずだろう俺の後孔は、それでもまだ足りないとでも言わんばかりに貪欲にヒクついていた。自分でもありありと分かってしまうその感覚と、後ろでねっとりとした笑みを浮かべているそいつの愛撫から逃げるように思考を別のところに移せば思い出すのは数時間前。

いつもの喧嘩に一通りの区切りがついたところでカラオケに行かないかと誘ったのは、他でもない、この俺だった。
最初は身を震わせた寒さでも、彼との鬼ごっこの中ではそれも暑さに変わる。喉も渇いていたし近くのカラオケボックスにでも行かないかと、誘ったのは確かに俺。そしてマイクを握ったシズちゃんにこの勝負を持ちかけたのも俺。


『勝負をしようよ』
『歌の点数が高かった方が勝ち。負けた方は勝った方の言うことを何でも聞く、ていうのはどうだい?』



必ず勝つ自信があったからこそ持ちかけた勝負。碌に友達も居らずカラオケなんて滅多に来ないであろうシズちゃんと、人間観察として多くの人間とカラオケに行ったことがある俺。どちらが勝つかなんて明らかだった。

だった……のに。


「アッ、もっなんで、俺がこんな…ッ!」
「ああ? 自業自得だろ。1点差でも負けたのは手前、勝ったのは俺。ざまぁねえなぁ、ん?」


――だからってズボン脱いで四つん這いになれなれはないだろ!!

そう叫ぼうとした手前、狙ったかのように前立腺をぐりっと抉られまた意味の無い声が漏れた。
普段とは違う明るい居場所で恥ずかしい所全部を見られて、無遠慮に秘部をかき回されそれでも浅ましく快楽を拾うこの体。俺の声を隠すためだと適当に入力された歌が、無常なくらいに小さなこの部屋に満ちていた。


「いっつもこんなちっせぇとこに俺のが入ってんのかあよ。すっげ……エロ」
「あっ馬鹿どこ見て、ひっぃあ、いき、息がぁ あんんッ」
「手前のココ、甘ぇ匂いがする…うまそ」
「ひんっあっうそ…、うそ、舌が、はいって、あぅっあぁあッあっ」


ちゅぷん、と音を立てて抜かれた指の代わり、今度は舌が割り込まれる。浅いところでちろちろと舐められ、孔の周りまでもをジュルジュルと吸われては、俺はもう煙草臭いソファに額を擦りつけ喘ぐことしか出来なかった。


「ハっ、もうぐずぐずだな。ちんこからえっろい汁一杯溢れてんぞ」
「あっ、もうわかんな ふあっあああああッ!?」


最後にぢゅうっと、まるでキスマークを残すみたいに強く吸い付かれて俺は自身の先端から僅かに精液を飛ばした。中の収縮でシズちゃんもそれに気づいたのだろう、舌を抜くと嘲笑うかのような口振りで、言った。


「なんだ手前、後ろだけでイけんのかよ。淫乱」
「はッぁ、うるさ、ぁ、んんっも、いいだろ、服、きさせ」
「まだだ。カラオケなんだから、しっかり歌わないとなぁ臨也。下の口でも、ちゃんと」


……ウソだろ? 信じられない。どこのオヤジだよシズちゃん死ね。
シズちゃんの手にしっかりと握られているマイクを見せ付けられてついた悪態は、きっと許されるものだ。そうだろ?







* * *





「ふぅアっあむ、んっんんーっんぐ、」
「おい、声抑えてんじゃねーよ。ちゃんと聞かせろ」
「んむぅ、んっん、」
「臨也ァ…これは手前に頼んでんじゃねえ、命令してんだ」


できるか、馬鹿野郎。未だ四つん這いの状態でギッと後ろを睨み上げても、シズちゃんのニヤニヤ顔は崩れない。妄言通り後ろにマイクを突っ込まれた俺がまず感じたのは、当たり前だがマイクの鉄部分の冷たさだった。火照った体にもそれは冷たすぎてぶるりと震えたそれを、この馬鹿野郎は何を勘違いしたのか「気持ちいのか?」と聞いてきたのだ。それを全力で否定したらこの扱いだ。せめてもの抵抗とばかりに服の袖を噛んで声を抑えていたが、シズちゃんの人並みならない腕力で顎を持ち上げられたらいよいよそれすらも叶わなくなってしまいそうだった。というよりこの体勢は相当……


「あガッあっひッくるし、くるひぃ…! あっふッ」


強制的に上を向かされたらそれはもう苦しくて、ただでさえ乱れていた息が余計に酷くなっていく。口の端を涎が伝ったがそれに構うほどの余裕なんてない。


「なら、もう声抑えんな。手前だってこの体勢のまま突っ込まれたくねぇだろ?」
「……! がっ、わかっは、から! 離してぇ」


今でさえ十分苦しいのにこの上更にシズちゃんのなんかを突っ込まれたら本当に死んでしまう。それが分かっているのにここで首を横に振る程、俺は馬鹿じゃなかった。


「いい子だ、臨也――…じゃ、しっかり啼けよ?」







                       
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -